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水曜会(第709回)

情報公開日:2019年1月30日 (水曜日)

今回の水曜会は、日本SPF豚協会 赤池 洋二 顧問をお招きし、「わが国におけるSPF養豚の始まりから現在まで」についてのご講演と、動衛研ウイルス・疫学研究領域発病制御ユニット 大橋 誠一 ユニット長による一般演題を予定しております。
参加者の事前登録は原則不要で、当日参加も可能です。皆様の御来場をお待ちしております。

日時

平成31年2月13日(水曜日)13時30分~

場所

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門 講堂
茨城県つくば市観音台3-1-5 (交通案内/会場案内(建物3))
Tel: 029-838-7937(企画管理部 企画連携室 交流チーム)
Fax: 029-838-7907

内容

座長:小林 秀樹(動衛研)

わが国におけるSPF養豚の始まりから現在まで(60分)

○赤池 洋二(日本SPF豚協会)

東京都小平市の農林省家畜衛生試験場(現農研機構動物衛生研究部門)にSPF豚作出施設が完成したのは1965年で、同年春からSPF豚の作出手術が開始されました。当時、研究第一部におられた波岡茂郎先生(後の北海道大学教授)は米国のSPF養豚をお手本にわが国でもSPF養豚に取り組む決意を固めていました。しかし、国の関係機関からは同意が得られず、民間との共同開発に進むことを余儀なくされました。この時代は配合飼料の発展が目覚ましく、養豚経営の大型化が進み始めていましたが、それにともなう豚疾病の蔓延に対して養豚経営者の関心は希薄であったように思われました。当時は抗菌剤が比較的自由に飼料に添加できたことが理由のひとつかも知れません。このような環境の中ではSPF養豚が理解されるはずもなく、撤退が相次ぎました。最後に残ったのが千葉県畜産試験場、住商飼料畜産(株)、アミノ飼料(株)(現伊藤忠飼料(株))でした。その後、数多の試行錯誤が重ねられましたが、その間にJA全農、日本農産工業、ホクレン等の新規参入があり、現在につながります。この間に培われた諸々の技術や考え方が現在のSPF豚農場認定基準の基礎となっています。現在の認定農場数は184(全国農場数の4.11%)、飼養母豚数は77,604頭(全国母豚数の9.2%)です。SPF養豚草創期から現在に至るまでSPF養豚のあゆみと認定農場の生産実績についても紹介したいと思います。

座長:小林 秀樹(動衛研)

子宮切断術摘出・初乳未摂取豚の利用と作出方法の改良(30分)

○大橋 誠一(農研機構 動物衛生研究部門 ウイルス・疫学研究領域 発病制御ユニット)

子宮切断術摘出・初乳未摂取豚(Hysterectomy-produced and colostrum-deprived piglets; HPCD豚)とは一般農場から導入した分娩間近な母豚から経産道分娩によらずに無菌的に子豚を取り出してアイソレーター内で無菌人工乳のみで哺育した豚のことをいう。動物衛生研究部門では、家畜を用いた微生物の病原性を評価するために感染試験を行っている。家畜を用いた実験は生産現場により近い状況で行うことが可能である。反面、その感染試験は生産現場からの導入家畜によって行わなければならず、すでに種々の微生物に暴露され、微生物の病原性評価に影響を及ぼしている。動物衛生研究部門では40年以上前にこれらの問題を解決するためHPCD豚の作出および飼育技術を開発し現在もHPCD豚を感染試験利用している。
今回は最近の動物衛生研究部門でのHPCD豚の利用および動物衛生研究部門重点強化研究費を利用して、近年の社会情勢や麻酔技術の進歩を鑑みて作出技術の改良を行ったのでその概要と今後の問題点について紹介する。