花き研究所

花の香りについて

花の香り:香気成分のカクテル

図:香気成分のカクテル
図1 香気成分のカクテル

バラやユリなど、花の名前で香りをイメージできる花はいくつかありますが、‘バラの香り’、‘ユリの香り’という成分があるわけではありません。
色々な香気成分が混ざり合って‘バラの香り’や‘ユリの香り’が出来上がります。
花の香りは、昆虫などを引きよせるための、いわば‘香気成分のカクテル’です。

花の香りの研究は、香気成分の組成を調べることから始まります。
花き研究所では、様々な精密機器を用いて、花の香気成分の分析を行っています。

日周変化を示す花の香りの発散

図:日周変化を示す花の香りの発散
図2 日周変化を示す花の香りの発散

ほとんどの花の香気成分は、昼夜で発散量が変化する日周変化を示します。発散量に昼夜変化がみられる性質は、夜強く香る花はガ、昼強く香る花はハチなど、決まったポリネーター(花粉を運ぶもの)の誘因に役立っています。

花き研究所では、このような発散リズムの制御機構を明らかにするために、香気成分の経時的な解析を行っています。さらに、香気成分の生合成遺伝子に関しても、経時的な発現解析を行っています。

花が香る仕組みの複雑さ

花が香る仕組みの複雑さ
図3 花が香る仕組みの複雑さ

花が香る仕組みには、大きく分けて香気成分の生合成、代謝、気化が関わっています。生合成された香気成分は、花の中にあるだけでは「香り」とはいえず、花の外に気化することではじめて「香り」となります。また花の中の香気成分は、気化できない不揮発型(配糖体など)に代謝される場合もあります。このように、花が香る仕組みには生化学的な段階に加え物理的な段階が存在するため、大変複雑なものであると言えます。

花き研究所では、香気成分発散の制御段階を明らかにするために、花の中の香気成分(内生成分)、発散成分、香気成分代謝物の解析を行っています。さらに、香気成分生合成の関連遺伝子の検索を行っています。