果樹研究所

品種育成・病害虫研究領域 核果類品種育成ユニット

スタッフ

ユニットリーダー(主任研究員)

八重垣 英明 (Hideaki YAEGAKI)

主任研究員

澤村 豊 (Yutaka SAWAMURA)

末貞 佑子 (Yuko SUESADA)

 

研究内容の紹介

果実の中に硬い核を持つ核果類果樹であるモモ、ウメ、ニホンスモモ、アンズについて新品種の開発を行っています。食味がよく、栽培しやすい品種の育成を行っています。効率的に新品種を開発するための基礎的な研究も併せて行っています。

 モモの新品種育成

1935年に品種開発を開始しました。当初は缶詰用品種の改良が主で、1947年頃より生食用品種の改良に本格的に取り組み始めました。これまでに28品種育成しています。生食用品種では、糖度が高く食味がよく、袋掛けが不要などの栽培しやすい品種を目標に、交配、選抜を行い新しい品種を育成しています。

最近の育成品種

満開後60日頃に収穫できる極早生黄肉モモ品種「ひめこなつ」
満開後60日頃に収穫できる
極早生黄肉モモ品種「ひめこなつ」

高糖度で食味の優れる中生黄肉モモ品種「つきあかり」
高糖度で食味の優れる
中生黄肉モモ品種「つきあかり」

 

ウメ、ニホンスモモ、アンズの新品種育成

ウメ、ニホンスモモ、アンズの品種開発は1970年に開始しました。これまでにウメ6品種(ニホンスモモとウメの雑種3品種を含む)、ニホンスモモ2品種、アンズ2品種を育成しました。赤肉のニホンスモモとウメの雑種である「露茜」は果皮・果肉が赤く、赤い梅酒・梅ジュースとなることから急速に栽培が増加しています。

 

赤い加工製品ができるウメ品種「露茜」

「露茜」の果実
「露茜」の果実

「露茜」のジュースと梅酒
「露茜」のジュースと梅酒

 

せん孔細菌病の発病が少ないモモ品種育成に向けて

菌液を接種した枝の病斑
菌液を接種した枝の病斑

せん孔細菌病は、葉・枝・果実の病斑や落葉を引き起こすモモの重要病害です。せん孔細菌病への抵抗性が強い品種を育成するため、品種の抵抗性の強さの評価を行っています。モモの枝にせん孔細菌病の菌液を接種し、接種部位に形成される病斑長を測定すると、抵抗性が弱い品種ほど大きな病斑ができるため、病斑長からその品種の抵抗性の強さを評価することができます。

 

低温要求量の少ない(休眠の短い)モモ品種育成に向けて

菌液を接種した枝の病斑
切り枝を使ったモモ品種の低温要求量の調査
[低温(7.2°C以下)遭遇700時間で枝を採取し、20°Cで4週間促成
Chimarritaは少ない低温遭遇時間で開花する

モモなどの落葉果樹は一定の低温に遭遇しないと休眠が打破されず、開花・発芽しません。休眠を打破するために必要な低温の時間(低温要求量)は品種により長短があります。この時間が短いと冬の気候が温暖な地域でも栽培が可能となります。ブラジルやメキシコの低温要求量が少ない品種をわが国の品種と交雑することにより、低温要求量が少なく、果実品質が優れた品種の育成を目指しています。この交雑から得られた育成系統や主要品種について切り枝を用いて低温要求量を調査しています。

主要成果

原著論文

  • Suesada Y, Yamada M, Yamane T, Adachi E, Yaegaki H, Yamaguchi M : Varietal differences in susceptibility to Bacterial spot (Xanthomonas arboricola pv. prunui) among 69 peach cultivars and selections as evaluated by artificial inoculation to shoots : J. Japan. Soc. Hort. Sci. 82, 293-300 (2013)
  • 土師岳・山口正己・八重垣英明・末貞佑子・京谷英壽・西村幸一・鈴木勝征・三宅正則・小園照雄・木原武士・福田博之・内田誠 : モモ新品種‘つきあかり’: 果樹研究所研究報告 14, 1-10 (2012)
  • 末貞佑子・山口正己・土師岳・八重垣英明・京谷英壽・西村幸一・鈴木勝征・三宅正則・中村ゆり・小園照雄・木原武士・福田博之・内田誠 : モモの新品種‘ひめこなつ’: 果樹研究所研究報告 13, 7-15 (2012)
  • 八重垣英明・土師岳・末貞佑子・中村ゆり・京谷英壽・西村幸一・三宅正則・吉田 雅夫・山口正己 : ウメにおける緑萼性の遺伝様式 : 園芸学研究 11(2), 95-198 (2011)
  • 八重垣英明・山口正己・土師岳・末貞佑子・三宅正則・木原武士・鈴木勝征・内田誠 : ウメ新品種‘露茜’ : 果樹研究所研究報告 13, 1-6 (2012)
  • 八重垣英明・山口正己・土師岳・末貞佑子・中村ゆり・京谷英壽・西村幸一・三宅正則・安達栄介・小園照雄・福田博之・木原武士・鈴木勝征・内田誠 : ウメ新品種‘翠香’ : 果樹研究所研究報告 17, 1-11 (2014)
  • 八重垣英明・山口正己・土師岳・末貞佑子・中村ゆり・京谷英壽・西村幸一・三宅正則・安達栄介・小園照雄・福田博之・木原武士・鈴木勝征・内田誠 : アンズ新品種‘おひさまコット’および‘ニコニコット’ : 果樹研究所研究報告 18, 1-12 (2014)

成果情報

ほうき性で菊咲き性および桃色の花弁をもつ花モモ新品種「舞飛天(まいひてん)」(2014)

ほうき性で菊咲き性および白色の花弁をもつ花モモ新品種「白楽天(はくらくてん)」(2014)

その他参考資料

モモ・スモモ・ウメ・アンズの育成品種(全育成品種)

        モモの育成品種

        スモモの育成品種

        ウメの育成品種

        アンズの育成品種

品種紹介パンフレット

  果樹研究所育成品種カタログ