果樹研究所

カンキツ研究領域 ゲノム研究ユニット(興津)

スタッフ

ユニットリーダー(上席研究員)

清水 徳朗 (Tokurou SHIMIZU)

上席研究員

藤井 浩 (Hiroshi FUJII)

島田 武彦  (Takehiko SHIMADA)

主任研究員

遠藤 朋子 (Tomoko ENDO)

任期付研究員

後藤 新悟 (Shingo GOTO)

研究内容の紹介

カンキツの育種の高精度化と効率化を目標に、ゲノム情報を利用して育種に利用可能な選抜マーカーの開発や重要遺伝子の単離、高精度なゲノム情報解析のためのツール開発や早期開花遺伝子を利用した世代促進技術の開発などに取り組んでいます。カンキツではゲノム情報の解読も進んでおり、今後はその成果を積極的に取り入れることで従来は困難であったさまざまな問題への解決を目指しています。

低コストなDNAマーカー分析法の開発

高精度なDNAマーカー分析として蛍光色素で標識したオリゴプライマーを用いたSSRやSNP解析が一般に行われていますが、マーカー数の増加にともなうコストの上昇を抑える目的で、標識されていないオリゴプライマーを用いたPCRのあとに蛍光色素で標識するポストラベル法を開発しました。


シングルチューブ多重ポストラベルの結果


分析コストの比較

※果樹研究所での試算例

香気成分やカロテノイド代謝の制御メカニズム解明

カンキツ類に多様に含まれる香気成分やカロテノイドの中から、健康機能性や病害虫抵抗性に関わる有用成分の高含有化を図るために、代謝メカニズムの解明や選抜マーカーの開発を進めています。

カロテノイド代謝遺伝子、遺伝子発現量のQTL座の連鎖地図上の位置

カロテノイド代謝遺伝子、遺伝子発現量のQTL座の連鎖地図上の位置

花成遺伝子を利用した果樹の育種期間を短縮する技術の開発

カンキツをはじめとする果樹類では「桃栗三年柿八年...」と言われるように、種を播いてから数年から十数年の間、開花・結実しません。このため、異なる品種どうしを交配して新品種を作る育種には非常に長い期間が必要です。これらを解決する新たな技術として、花を咲かせるための花成遺伝子を導入して早期に開花するようになったカラタチを利用して、1世代に要する期間を大幅に短縮する新たな育種技術の開発に取り組んでいます。

 

主要成果

DNAマーカーによる品種識別を効率化する3つのソフトウエアの開発(2012)

 

著作物

「果樹研究のバイオインフォマティクス」(2016.3)
  関連ページ : 「果樹研究のバイオインフォマティクス」サポート

 

原著論文

  • Fujii H., Ogata T, Shimada T, Endo T, Iketani H, Shimizu T, Yamamoto T, Omura M : Minimal marker: an algorithm and computer program for the identification of minimal sets of discriminating DNA markers for efficient variety identification : Journal of Bioinformatics and Computational Biology 11, 1250022 (2013)
  • Fujii H, Shimada T, Nonaka K, Kita M, Kuniga T, Endo T, Ikoma Y, Omura M : High-throughput genotyping in citrus accessions using an SNP genotyping array : Tree Genetics & Genomes 9, 145-153 (2013)
  • Shimada T, Fujii H, Endo T, Ueda T, Sugiyama A, Nakano M, Kita M, Yoshioka T, Shimizu T, Nesumi H, Ikoma Y, Moriguchi T and Omura M : Construction of a citrus framework genetic map anchored by 708 gene-based markers : Tree Genetics & Genomes 10, 1001-1013 (2014)
  • Shimada T, EndoT, FujiiH, RodríguezA, PeñaL and Omura M : Characterization of three linalool synthase genes from Citrus unshiu Marc. and analysis of linalool-mediated resistance against Xanthomonas citri subsp. citri and Penicilium italicum in citrus leaves and fruits : Plant Science 229, 154-166 (2014)
  • 二宮泰造・島田武彦・遠藤朋子・野中圭介・大村三男・藤井浩 : CAPSマーカーによるカンキツの品種識別法の開発と親子鑑定 : 園芸学研究 14(2), 127-133 (2015)
  • Shimada T : Isolation and characterization of germacrene A synthases gene in Citrus unshiu Marc : Scientia Horticulturae 145, 102-108 (2012)
  • Shimizu T : Genomics approaches for the molecular analysis of citrus mutants : Gamma Field Symposia 49, 57-69 (2012)
  • Shimizu T, Yano K : A post-PCR labeling method for multiplexed and multicolored genotyping study of SSR, indel and SNP markers in single tube with bar-coded split tag (BStag) : BMC Research Notes 4, 161 (2011)
  • Shimizu T, Fujii H, Kotoda N, Yano K, Endo T : Data Mining of Citrus Expression Sequence Data Sets and Application for Functional Genomic Study : Acta Horticulturae 892, 29-36 (2011) 

成果情報

CAPSマーカーによるカンキツの品種識別技術(2014)

リナロールの抗菌活性とウンシュウミカンでのリナロールを合成する遺伝子の発現(2014)

CAPSマーカーおよびSNPマーカーで構築されるカンキツの標準連鎖地図(2014)

eQTL解析により明らかとなったカンキツの新規カロテノイド代謝調節因子候補(2013)

カンキツの268個のSNP遺伝子型を迅速に決定できるアレイの開発(2012)

ウンシュウミカンから単離したゲルマクレンA合成酵素遺伝子(2012)

遺伝子機能の解明やDNAマーカー開発に有効なカンキツのゲノム情報(2012)