果樹研究所

リンゴ研究領域 虫害研究ユニット

スタッフ

ユニットリーダー (上席研究員)

柳沼 勝彦 (Katsuhiko YAGINUMA)

主任研究員

檜垣 守男 (Morio HIGAKI)

岸本 英成 (Hidenari KISHIMOTO)

研究内容の紹介

リンゴの減農薬栽培に適合した害虫防除技術の開発を行っています。また、ヒメボクトウなど最近深刻な問題になっている害虫の生態を解明し、効果的な防除法の開発を行っています。

土着天敵の活用

主要害虫のひとつであるハダニ類は、農薬が効かなくなる薬剤抵抗性が発達しやすく、防除が難しいことで知られています。その一方で、リンゴ園内や周辺にはカブリダニ、ハダニアザミウマ、ケシハネカクシ、ダニヒメテントウなど、ハダニ類の土着天敵が豊富に生息していることが明らかになってきました。そこで、これらを活用してハダニの発生量を低く抑える技術の開発を進めています。

枝幹害虫ヒメボクトウの生態解明

ヒメボクトウはリンゴやニホンナシの害虫で、幼虫が幹や枝の内部を食べて発育します。被害を受けた樹木は衰弱し、枯死することもあります。一生の大部分を幹や枝の内部で過ごすことから、そのライフサイクルは謎に包まれています。そこで、現在、この虫が卵から成虫になるまでの発育を詳しく調査しています。

ハダニ
ハダニクロヒメテントウ成虫

幹の内部を食害するヒメボクトウ幼虫
果幹の内部を食害するヒメボクトウ幼虫
(写真提供:福島県農業総合センター果樹研究所)

主要成果

原著論文

  • 新井朋徳・高梨祐明・柳沼勝彦・井原史雄・伊藤伝・成田治・豊島真吾 : 殺虫剤無散布リンゴ園におけるナシマルカイガラムシ歩行幼虫の発生数の年次推移 : 北日本病害虫研究会報、62,179-181 (2011)
  • 新井朋徳・高梨祐明・井原史雄・柳沼勝彦 : 岩手県盛岡市の交信攪乱剤設置リンゴ園におけるモモシンクイガの被害と補完防除の効果 : 北日本病害虫研究会報、62,199-204(2011)
  • 新井朋徳・高梨祐明・井原史雄・柳沼勝彦 : 複合交信攪乱設置リンゴ園におけるチョウ目害虫の果実加害時期と防除時期 : 北日本病害虫研究会報、63, 193-198(2012)
  • 新井朋徳・柳沼勝彦・伊藤伝・高梨祐明・井原史雄 : 両面テープトラップによるリンゴハマキクロバ幼虫のリンゴ園における発生時期の把握 : 北日本病害虫研究会報, 64,196-199(2013)
  • 新井朋徳・高梨祐明・井原史雄・柳沼勝彦 : 複合交信攪乱剤コンフューザーAA設置圃場におけるキンモンホソガのフェロモントラップ誘殺消長と被害 : 北日本病害虫研究会報, 65,170-176 (2014)
  • 新井朋徳・高梨祐明・井原史雄・柳沼勝彦 :防除体系の異なる4リンゴ圃場におけるナシヒメシンクイのフェロモントラップ誘殺消長と果実被害 : 北日本病害虫研究会報, 65,177-181 (2014)
  • Higaki M and Adachi I : Response of a parasitoid fly, Gymnosoma rotundatum (Linnaeus) (Diptera: Tachinidae) to the aggregation pheromone of Plautia stali Scott (Hemiptera: Pentatomidae) and its parasitism of hosts under field conditions : Biological Control 58, 215-221 (2011)
  • Higaki M and Toyama M : Evidence for reversible change in intensity of prolonged diapause in the chestnut weevil Curculio sikkimensis : Journal of Insect Physiology 58, 56-60 (2012)
  • Kishimoto H, Maeda T, Wright L, James D: Identification of prey consumed by Stethorus punctum picipes (Casey) (Cleoptera: Coccinellidae) in tree fruit and vines in Washington State, USA : International Journal of Acarology 37, Supplement 1, 216-220 (2011)
  • 岸本英成・望月雅俊・北野峻伸 : 日本国内におけるハダニクロヒメテントウ(新称)Stethorus pusillus (Herbst)の再発見およびキアシクロヒメテントウStethorus japonicas H. Kamiyaとの区別点 : 日本応用動物昆虫学会誌 57, 47-50 (2013)
  • Kishimoto H, Ohira Y, Adachi I : Effect of different plant pollens on the development and oviposition of seven native phytoseiid species (Acari: Phytoseiidae) in Japan : Applied Entomology and Zoology 49, 19-25 (2014)
  • Kishimoto H : Development and oviposition of six native phytoseiid species (Acari: Phytoseiidae) reared on pink citrus rust mite, Aculops pelekassi (Keifer) (Acari: Eriophyidae) : Journal of the Acarological Society of Japan 23, 71-77 (2014)

成果情報

土着カブリダニ類に対するチャ、イヌマキ花粉の代替餌としての有用性(2013)

日本国内で再発見された土着天敵ハダニクロヒメテントウの近縁種からの識別法(2012)