果樹研究所

ブドウ・カキ研究領域 病害研究ユニット

スタッフ

ユニットリーダー(上席研究員)

須崎 浩一 (Koichi SUZAKI)

主任研究員

伊藤 隆男 (Takao ITO)

研究内容の紹介

ブドウ、カキなどの果樹病害を対象に、省力・低コストで環境にやさしい病害防除技術の開発に向けて、以下のような研究に取り組んでいます。

ブドウ、カキに発生するウイルス様症状の原因究明および診断法の開発

ウイルス病に対しては有効な薬剤がなく治療が困難であるため、一旦ウイルス病に感染すると被害は甚大なものになります。ウイルス病の被害を回避するためには、まず第一にウイルスに感染していない苗木を使うことが大切であり、正確なウイルス病の診断が必要です。近年のめざましい遺伝子工学の進歩によってPCR法を使ったブドウウイルス病の遺伝子診断ができるようになりました。カキについてはウイルス様の病原はこれまでにほとんど知られていませんでしたが、これらについても探索を進めています。

ブドウ、カキに発生する各種病害の発生生態の解明

ブドウでは「べと病」、「黒とう病」、「晩腐病」、カキでは「炭疽病」が大きな被害を与える病害として知られています。これらの病害防除には現在、農薬が使用されていますが、低コスト・環境負荷低減のため使用量を 最小限に抑えた効率的な防除法が求められています。このため病気の発生生態やカビ、細菌など病原菌の伝染経路を明らかにするとともに、品種ごとの病害抵抗性判別やブドウ品種‘シャインマスカット’減農薬栽培のための研究に取り組んでいます。

カキの果頂部果皮障害
カキの果頂部果皮障害
(バッテン果、十字型汚損果)
ウイルス性の病害であることが疑われており、
病原の探索を進めています。

化学合成農薬を削減した防除体系下で生産された‘シャインマスカット’
化学合成農薬を削減した防除体系下で生産されたシャインマスカット
ブドウ品種‘シャインマスカット’を対象として化学合成農薬を削減した防除体系の開発を進めています。

主要成果

原著論文

  • Ito T, Furuta T, Namba N : First report of Citrus psorosis virus in Japan : Journal of General Plant Pathology 77, 257-259 (2011)
  • Ito T, Nakaune R, Nakano M, Suzaki K : Novel variants of grapevine leafroll-associated virus 4 and 7 detected from a grapevine showing leafroll symptoms : Archives of Virology 158, 273-275 (2013)
  • Ito T, Suzaki K, Nakano M : Genetic characterization of novel putative rhabdovirus and dsRNA virus from Japanese persimmon : Journal of General Virology 94, 1917-1921(2013)
  • Ito T, Suzaki K, Nakano M, Sato A : Characterization of a new apscaviroid from American Persimmon : Archives of Virology 158, 2629-2631 (2013)
  • Shimizu S, Ito T, Miyoshi T, Tachibana Y, Ito T : A broad spectrum, one-step RT-PCR to detect Satsuma dwarf virus variants using universal primers targeting both segmented RNAs 1 and 2 : Journal of General Plant Pathology 77, 326-330 (2011)
  • Suzaki K : Improved method to induce sporulation of Colletotrichum gloeosporioides, causal fungus of grape ripe rot : Journal of General Plant Pathology 77, 81-84 (2011)

成果情報

温州萎縮ウイルスの2分節ゲノムを標的とした高精度診断法(2011)

国内で初めて検出されたカンキツソローシスウイルス(2011)

ブドウ晩腐病菌(Colletotrichum gloeosporioides)の効率的な分生胞子形成法(2011)