果樹研究所

一押し旬の話題

2012年4月15日

カンキツ「カラタチ」「オレタチ」

カラタチ

カラタチの花 ミカン産地では、今、カラタチの花が咲いています。ミカン産地以外ではあまり見られないかも知れませんが、良い香りが畑一面漂っています。

カラタチと言えば、北原白秋の「カラタチの花」を思い浮かべます。「からたちの花が咲いたよ。白い花が咲いたよ。からたちのとげはいたいよ。靑い針のとげだよ。(中略)・・・」

また、カラタチと言えば、島倉千代子の歌った「からたち日記」も思い出されます。「心で好きと叫んでも、口では言えぬ、・・・小道に白いほのかな、カラタチの花よ。(中略)」

カラタチの実カラタチはミカンの仲間で、原産地の中国長江上流域から8世紀ごろには日本に伝わっていたと言われています。病気に強い、早く実がなる、樹の高さが低い、接ぎ木品種の味が良いなどの利点からミカンの台木として使われています。

果実は生では食べられませんが、果実酒の材料として使われています。未成熟の果実を乾燥させたものは枳実(きじつ)と呼ばれる生薬となっています。健胃、利尿、去痰作用があるとされています。

オレタチ

オレタチの実「オレタチ」って知っていますか? 果樹研究所で25年ほど前、バイオテクノロジーの先端技術として、オレンジとカラタチの細胞融合による雑種「オレタチ」を作りました。種類の違う細胞を裸にしてくっつけて、新しい植物を作ったものです。

カラタチはガンなどの抑制に効果があるとされる機能性成分(オーラプテンなど)を沢山含んでいますが、臭い、苦い、酸っぱいなどで食べられませんが、カラタチに食用のカンキツを交配し、生で食べられる品種を作りました。「オーラスター」です。平成23年に登録されました。できたばかりの品種で、まだ皆様のお目に留まるのは先のことと思いますが、記憶に残していただければ幸いです。

オレンジ・オレタチ・カラタチの実
オレンジ・オレタチ・カラタチの実

オーラスターの果実
果樹研育成「オーラスター」の果実

ところで、前回お話ししました八重桜の花がつくばの果樹研究所一般公開(4月20~21日)に合わせて咲きますでしょうか?

「関山(かんざん)」は赤紫の濃い色の花が垂れ下がって咲きます。塩漬けにして桜茶にされているのがこの花です。「普賢象(ふげんぞう)」は薄紅~白い花が咲きます。「鬱金(うこん)」は薄黄緑色の花です。前号で「御衣黄」と紹介したのは「鬱金」の誤りでした。「御衣黄」と「鬱金」は同じ品種と言われていますが、果樹研究所では「鬱金」のラベルが付いています。「駿河台匂(するがだいにおい)」は八重ではありませんが、やや遅咲きの薄紅白色の桜で、桜には珍しく良い匂いがします。

関山(かんざん)surugadainioi .jpg

良い香りのミカンでは「清見」、「せとか」が果物屋さんに並んでいます。食べてみて下さい。

一般公開、お越しをお待ちしております。