北海道農業研究センター

バレイショ育種グループ

バレイショは、青果用、加工用、でん粉用など用途が広く、食生活に根ざした食材としてだけでなく、地域産業の振興や6次産業化の素材作物として、また食料安全保障の面からは緊急時の主食代替作物として、多様な役割を担う重要な作物です。しかし、生産現場ではジャガイモシストセンチュウ等の病虫害の被害が安定生産の阻害要因になっており、病虫害に強く高品質な品種の育成が急務になっています。

病虫害抵抗性、加工適正、長期貯蔵性等に優れる品種の育成

DNAマーカー等を活用し、ジャガイモシストセンチュウ、そうか病や疫病などに複合的に抵抗性を備えた高加工適性品種、安定的な周年供給体制の構築に必要な長期貯蔵性に優れた品種等の育成を行っています。

新規性を有し付加価値の高いバレイショ品種の育成

バレイショの需要拡大を目指して、新規でん粉やアントシアニン色素等の特徴がある付加価値の高い品種の育成にも取り組んでいます。この他、バレイショの多様な遺伝資源を活用した大学との共同研究や民間企業による加工適性の評価などを行ってバレイショ育種を加速させています。

これまでに青果用では食味が良く、水煮適性が優れ、サラダおよびコロッケ加工適性もある「はるか」(平成19年)を育成しました。でん粉用では、ジャガイモシストセンチュウとジャガイモYウイルスに抵抗性で、多収の「パールスターチ」(平成27年)を育成しました。「パールスターチ」の耐老化性に優れた新規でん粉は、様々な食品への利用を通じて、バレイショでん粉の需要拡大につながるものと期待されています。

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