理事長メッセージ
国民に貢献する農研機構を目指して

農業を取り巻く経済・社会環境は今、大きく変わりつつあります。まず農作物や食品の市場については、我が国では人口減少と超高齢化が急速に進むことから、国内市場の大幅な縮小と地方の衰退が懸念されています。一方、世界では、2050年には世界人口が現在の76億人から1.3倍の98億人に増加すると予測されており、食の需要拡大、海外市場の大幅な拡大が見込まれます。戦略的に輸出を増やす大きなビジネスチャンスとなっています。
また技術面では、情報化(ICT化)とデジタル化が飛躍的に進展し、人、モノ、資金、情報、文化が国境を越えて駆け巡り、これまでに経験したことのない経済社会の構造の変化が進行し、大きな歴史的転換期を迎えています。


理事長 久間 和生
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農研機構の役割

農業が産業として自立するには、農業経営者が自らの経営判断で営農を行い十分な利益を上げることが必須と考えます。ビジネスの基本は、「顧客が満足する製品を、安く作り、高く買って頂くこと」です。顧客が満足する農産物を開発する、また、人手不足と営農者の高齢化対策、徹底的な生産性向上によるコストの削減など、農業が抱える課題を克服するためには、科学技術による解決が不可欠です。
このような中、農研機構が果たすべき役割は、農業を強い産業にするための科学技術イノベーションの創出です。農研機構は、「国民への安全・安心・高品質な農産物・食料の安定供給」、「農業の強い産業化と、海外市場での農産物・食料のマーケットシェアの増加による、政府の経済成長政策(GDP600兆円実現)への貢献」を通じて、農業の産業としての自立を支えていきます。

重点的に進める研究課題

農研機構は、総合科学技術イノベーション会議が「第5期科学技術基本計画」で掲げた、我が国の目指すべき新しい社会「Society(ソサエティ)5.0」の農業・食品版として、次の6つの研究課題に重点的に取り組みます。(1)データ駆動型革新的スマート農業の創出、(2)スマート育種システムの構築と民間活力活用による品種育成、(3)輸出も含めたスマートフードチェーンの構築、(4)生物機能の活用や食のヘルスケアによる新産業の創出、(5)農業基盤技術(ジーンバンク、土壌などの農業環境データ)、(6)先端基盤技術(人工知能、データ連携基盤、ロボット等)。

研究開発力の徹底強化

また、研究開発力の徹底強化に取り組みます。研究開発課題や基礎、応用、実用化、橋渡し等の研究開発段階に対応した研究予算や人的リソースなどの研究資源の最適配分、農業の産業化やグローバル産業競争力の強化の実現に向けた組織の枠や国境を越えた連携活動の強化、知的財産権と国際標準化活動の強化、農研機構とその研究者の存在感とブランド力を向上させる広報活動の推進、多様な人材の確保と育成による人材力の強化などを重点的に進め、研究成果の社会実装を加速します。

農研機構のあるべき姿

私たちは、これらの活動を通じて、

  • 農業界や産業界にとって頼りになる農研機構
  • 技術と知識・知恵に立脚した存在感のある農研機構
  • 関係機関との連携重視の農研機構
  • 多様な人材が集まり育つ農研機構
  • 厳しくも明るい風土(ピリッと仕事・元気な職場)の農研機構

となるよう、役職員が一体となって取り組んでまいります。

法人番号 7050005005207