九州沖縄農業研究センター

筑後(筑後・久留米研究拠点)の詳細

背景・役割

食料自給率が低い我が国では、水田の高度利用により食料生産性向上を図る必要があります。温暖な気候に恵まれた筑紫平野は、作物の栽培期間が長いため、土地の高度利用がしやすく、我が国最大の稲麦二毛作地帯となっています。しかし、昨今夏の異常高温による作物の障害や病害虫・雑草の発生、畑作物の湿害など、一層の生産性向上のためには、克服すべき多くの技術課題があります。そのため、小麦、大麦、水稲を中心に品種育成や栽培技術開発を行い、これらを組み合わせて、より低コストで高品質な作物を生産できる水田輪作技術の開発を行います。

沿革

1932年(昭和 7年) 現在地に農林省農事試験場小麦試験地が設置される。

1950年(昭和25年) 農林省九州農業試験場となる。

1991年(平成 3年) 九州農業試験場の本部を熊本県西合志町に移転し、水田利用部となる。

2001年(平成13年) 独立行政法人九州沖縄農業研究センター水田利用部となる。

2006年(平成18年) (独)農研機構九州沖縄農業研究センター筑後研究拠点となる。

2011年(平成23年) (独)農研機構九州沖縄農業研究センター筑後・久留米研究拠点となり、現在に至る。

近年の主な研究トピックス

1993年(平成 5年) めん用小麦品種「チクゴイズミ」の育成

1998年(平成10年) 水稲の打ち込み式代かき同時土中点播(ショットガン直播)栽培技術の開発(市販化開始)

1999年(平成11年) 焼酎醸造適性が優れ大粒で多収の二条大麦品種「ニシノホシ」の育成

2003年(平成15年) パン用硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の育成

2006年(平成18年) 高温登熟性に優れる良食味米品種「にこまる」の育成

2009年(平成21年) 飼料・米粉用水稲品種「ミズホチカラ」の育成

2009年(平成21年) 高品質・多収の二条大麦新品種「白妙二条(しらたえにじょう)」の育成

最近の研究トピックス(プレスリリースとリンク)

2010年(平成22年) 水稲種子にモリブデン化合物をまぶすことにより直播での苗立ちが改善できることを発見

2010年(平成22年) 玄米が紫黒色のもち米新品種「さよむらさき」を育成

2011年(平成23年) 3種類の病害虫に強い複合抵抗性水稲新品種「はるもに」を育成

2011年(平成23年) 収穫前に米の品質低下被害を予測できる装置を開発

2012年(平成24年) 日本めんだけでなく菓子等にも使える小麦新品種「ちくごまる」の育成

2012年(平成24年) 除草剤抵抗性を持つ雑草スズメノテッポウの総合防除技術の開発