九州沖縄農業研究センター

所長室から

進化するキャラバン

岡本補佐官

これまでのキャラバン

山川所長の発案で昨年8月から始まった「所長キャラバン」は、今年は残すところイチゴキャラバン(12月に福岡県で実施予定)のみとなりました。この2年間、キャラバンの回数は実に15回に及んでいます。実施場所は長崎県、大分県を除く6県に、また分野も、サツマイモ6件(新品種・加工利用法など)、飼料イネ2件(栽培法・新品種)、イチゴ2件(新規導入・栽培法)、畑輪作2件(体系化・機械化)、水稲直播、大豆栽培、パン用小麦、成型堆肥 、サトウキビ、中山間活性化、病害虫対策が各1件と多様・多彩です(一つのキャラバンで複数分野を扱うことがあるため、分野別集計値はキャラバン回数とは合いません)。
水田作研究部や畑作研究部、野菜花き研究部など地域研究拠点(隔地研究部)が主体となるキャラバンでは、所長・所幹部と隔地研究部の全職員との意見交換会もあるので、今や所において「キャラバン」を知らない人はモグリといっていいほどこの活動は所内で定着してきています。また、様々な評価委員会等においても積極的にPRしてきたためか、所外でも知られるようになりました。

進化するキャラバン-でも、変わらぬ基本姿勢-

キャラバンは当初、「所の研究成果の広報と普及活動」を第一の目的として発足しました。しかし二年目を迎えた今年、キャラバンの形も様々に進化しています。広報・普及をベースにしつつ、産山村キャラバンのように現場からの技術ニーズを逆に所に還元しようとするもの(平成17年度第4回)、飼料作物の病害対策(平成17年度第3回)や飼料イネ(平成17年度第2回)の普及のように、一研究部の研究成果の紹介という枠組みに留まらず、所を挙げて問題解決に当たろうとするもの等、様々です。
キャラバンに定型はありませんが、所幹部が自ら「現地を見る」「現地に聞く」「現地で語る」という姿勢は最初から一貫しています。

これもキャラバン-所内連携に向けて-

私たち研究センターが属する独立行政法人では、現在、次期中期計画の策定に向けて、研究方針や組織について機構本部を中心に様々な検討がなされています。次はどんな組織になるのか、一般職・技術専門職・研究職を問わず、職員にとってはとても気になり、また期待も大きいところです。このため今年のキャラバンでは、所の研究基本方針や次期中期計画の検討状況等について、所長や企画調整部長自らが全職員に語るという取り組みを行いました。所の運営方針や成果についての全職員の理解が深まることによる「目標や情報の共有化」が新しい組織作りの基本と考えます。

これからのキャラバン

これからも既成の枠組みにとらわれることなく、また、皆さんからもアイデアをいただきながら、さらに進化させていきたいと思います。ご期待ください。

産山村から阿蘇五岳の一つ、根子岳を望む

産山村から阿蘇五岳の一つ、根子岳を望む
こんな美しい風景に出会えるのもキャラバンの楽しみの一つです。