九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

「させぼ温州」の結実向上を目的としたジベレリンの実用的な使用時期

要約

結実向上のための「させぼ温州」の芽かきと併用したジベレリン散布は、満開2~7日後散布の効果が高い。ジベレリンの濃度は、25ppmで十分な効果が認められ、ジベレリンに尿素を混用散布しても単用散布と差はない。

  • キーワード: ウンシュウミカン、させぼ温州、ジベレリン、結実向上
  • 担当: 長崎果樹試・生産技術科
  • 代表連絡先: Tel:0957-55-8740
  • 区分: 九州沖縄農業・果樹
  • 分類: 技術・普及

背景・ねらい

「させぼ温州」は、新梢発生が多く、生理落果を助長するため結実率が低く、単収が確保されていない。ウンシュウミカンで落果防止に登録があるジベレリンは、「させぼ温州」において花周辺部の芽かき処理と併せて実施することで効果が高まるが(九州沖縄農業研究成果情報第21号平成18年10月)、実用的な散布濃度、時期等については明らかでない。そこで、結実向上に対する実用的な使用方法について検討した。

成果の内容・特徴

  • 着果数、結実率は、満開2日後から7日までのジベレリン散布で高く、満開3日後が最も高い。特に、有葉果の着果数が増加する(表1、図1)。
  • 芽かきを実施した上でのジベレリンの散布濃度50ppmと25ppmでは、生理落果後の着果数、結実率は変わらない(表2)。
  • ジベレリン25ppmに尿素0.5%(200倍)を混用散布しても、ジベレリン25ppmの単用散布と着果数、結実率に差はない(表3)。

成果の活用面・留意点

  • ジベレリンは、新梢発生が多い樹に対して散布し、花周辺部の新梢の芽かきを併せて実施することで、結実が向上する。 
  • ジベレリンは、ウンシュウミカンにおいて総使用回数が1回なので、使用にあたっては基準を遵守する。
  • 本成果は側枝単位で実施し、ジベレリン散布した区はすべて、芽かき処理を行い、無処理区はジベレリン散布および芽かき処理をしていない。

具体的データ

表1

 

図1

 

表2

 

表3

 

その他

  • 研究課題名: 長崎ブランド「出島の華」の安定生産技術の確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2004~2007年度