要約
水田輪作体系(水稲-麦体系あるいは水稲-麦-大豆体系)では水稲単作体系と比較して可給態窒素値、可給態リン酸値、EC値が低下する。一方、堆肥の施用はこれらの値を上昇させる。
- キーワード: 水田、化学性、輪作体系、堆肥
- 担当: 大分農林水産研・安全・土壌肥料担当
- 代表連絡先: Tel:0978-37-1435
- 区分: 九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
県下全域の代表的な水田地帯を対象として実施した土壌モニタリング調査から、作付け体系や堆肥の施用の有無といった人為的な要因が5年間の水田の化学性に及ぼす影響を解析した。
成果の内容・特徴
- 大分県における水田輪作体系では水稲単作体系と比較して可給態窒素値、可給態リン酸値、EC値が低下する。この理由として麦、大豆の作付けによる消耗が考えられる(表1)。
- 大分県水田土壌の化学性は作付け体系を問わず、交換性マグネシウム、CECなどで低下が見られるが土壌診断基準値内である。一方、可給態ケイ酸は土壌診断基準値を依然として下回っている(表1)。
- 堆肥を施用した圃場では、堆肥を施用しなかった圃場と比較して、可給態窒素値、可給態リン酸値、EC値が上昇し、堆肥の施用効果がみられる(表2)。
成果の活用面・留意点
- 土壌モニタリング調査により大分県の代表的水田地帯の実態について5年間の作付け体系および堆肥施用の有無による土壌化学性の変化を示したものであり、生産現場における土壌管理法の指標となる。
- 県内の水田地帯の代表地点111点について1巡目(1999~2002)、2巡目(2004~2007)に調査した結果である。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 土壌環境影響モニタリング調査
- 予算区分: 国庫助成(土壌保全)~県単
- 研究期間: 1998~2008年度