九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

雌種鶏の羽装選別によるみやざき地頭鶏の平均体重の向上

要約

「みやざき地頭鶏」の雌種鶏の羽装を黒系・茶系に統一することにより、みやざき地頭鶏の平均体重の向上につながる。

  • キーワード: みやざき地頭鶏、九州ロード、羽装、斉一性
  • 担当: 宮崎県畜産試験場・川南支場・養鶏科
  • 代表連絡先: Tel:0983-27-0168
  • 区分: 九州沖縄農業・畜産・草地(中小家畜・畜産環境)
  • 分類: 技術・参考

背景・ねらい

「みやざき地頭鶏((地頭鶏×WR)×九州ロード)」では出荷時体重にバラツキがみられるため、出荷時平均体重の向上が課題となっている。体重については飼養環境から受けるストレスが左右することが多いと思われるが、雌種鶏(「九州ロード」)の斉一性を高めることにより、「みやざき地頭鶏」出荷時体重の向上を図ることを検討した。雌種鶏は茶系・黒系・うり系(写真1)の3種類の羽装が存在するが、今回の試験ではこの羽装の違いが「みやざき地頭鶏」の生産成績に及ぼす影響について調査する。

成果の内容・特徴

  • 「みやざき地頭鶏」の雌種鶏の羽装発現率は茶系が最も多く、次いでうり系、黒系の順となる。(表2)
  • 「みやざき地頭鶏」の雌種鶏を羽装で分けた場合、生存率は雌雄ともに茶系が100%と黒系・うり系を上回る結果となる。(表2)
  • 雌種鶏の羽装をうり系にすると、「みやざき地頭鶏」の出荷時体重は茶系・黒系よりも下回る結果となる。(表2)
  • 雌種鶏をうり系にすると、「みやざき地頭鶏」のもも肉重量、むね肉重量、ささみ重量茶系・黒系を下回る傾向となり、特に雄ではささみ重量は黒系と比べて有意に下回る。(表3)

成果の活用面・留意点

  • 今回の試験は雄種鶏側の斉一性は考慮しておらず、今後雄種鶏側の検討が必要である。
  • みやざき地頭鶏種鶏雌(「九州ロード」)は茶系区、黒系区を用いることで、「みやざき地頭鶏」の出荷時体重の向上が図れる。しかし、うり系の発現率30.9%を考慮すると、種鶏雌ヒナ供給時のふ卵器数、人件費、飼料費等の増額が必要になることが今後の課題である。

具体的データ

表1

表2

表3

写真1

(神坂 明茂)

その他

  • 研究課題名: 新たな「みやざき地頭鶏」の性能向上試験
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2008~2009年度
  • 研究担当者: 神坂 明茂、安藤 忠弘