要約
湿地性カラー新品種「熊育FC01」は「ウェディングマーチ」より早くから採れ、収穫本数が多い。
- キーワード: 品種育成、湿地性カラー
- 担当: 熊本農研セ・農園研・花き研究室
- 代表連絡先: Tel:096-248-6445
- 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類: 技術・普及
背景・ねらい
湿地性カラーは、熊本市や八代市を中心に湧水を活かした栽培が行われている。産地では、多くの圃場で発生している疫病対策として、病気に弱い品種から強い品種への転換を進めてきたが、収量は以前の品種より少なく、栽培は減少している。そこで、湿地性カラーの安定生産をめざし、病気に強く、「ウェディングマーチ」より収穫期が早い多収性系統の育成に取り組む。
成果の内容・特徴
- 湿地性カラー「熊育FC01」は「ウェディングマーチ」を種子親、「チルルドシアナ」を花粉親として交配育成された系統である。
- 疫病汚染圃場で栽培して、「熊育FC01」は疫病に強い「ウェディングマーチ」より収穫本数が多い(図1)。
- 収穫期は、1月~6月で、「ウェディングマーチ」より収穫期間が長い(図1、図2)。
- 「ウェディングマーチ」に比べ、苞の長さは同程度で色が白く、花梗はやや短く細い(表1、図2、図3)。
成果の活用面・留意点
- 水口の水温が夏期(7月~10月)平均23.4℃、冬期(11月~6月)平均19.3℃(半地中型隔離床、コンテナ、掛流し水の水深10cm)の圃場で栽培した結果である。
- 県内の「ウェディングマーチ」にかわる品種として普及する。
- 大型装飾や冠婚葬祭の業務用途に適する。
- 品種登録出願中、県外許諾不可。
具体的データ
(熊本県農業研究センター)
その他
- 研究課題名:カラーの11~12月安定出荷技術の確立
- 予算区分:県単
- 研究期間: 2008~2010年
- 研究担当者:工藤 陽史、山口 茂、田中 正美、藤田 祐一、飯牟禮 和彦