九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

アマリリスの開花時期の調節方法

要約

12月より保温または球根の掘り戻し処理を行うことで季咲きよりも開花時期を1~4週間早めることができる。また季咲き前に掘り上げて10°Cで保存した球根を用いると、7月あるいは11月に定植において1~1.5ヶ月で開花する。

  • キーワード: 切り花、アマリリス、開花調節、球根
  • 担当: 沖縄農研・野菜花き班
  • 代表連絡先: Tel:098-840-8506
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 技術・普及

背景・ねらい

沖縄県における切り花出荷額の約85%が切り花キクであり、品目の多様化が望まれている。アマリリスの切り花は12月~3月の市場単価が高く、出荷は一部の県と輸入品が占めている。熱帯地域原産であるアマリリスは沖縄県では、据え置き栽培で毎年4~5月に開花する性質を持つ。そこで12月~3月の出荷に向けた開花時期の調節技術を開発する。

成果の内容・特徴

  • 据え置き栽培において、12月よりビニル保温または球根を掘り上げて根を切り、埋め戻す(掘り戻し)処理をすることで季咲き時期よりも開花時期を1~4週間早めることができる。(表1)。
  • 季咲き時期の半月前に掘り上げて10°Cで保存した球根を用いることで、7月あるいは11月の定植において1~1.5ヶ月で開花させることができる。また、保存温度は、2°Cよりも10°Cのほうが到花日数が短く、開花球根率も高く、球根あたりの採花数も多くなる傾向があり、適している(表2)。

成果の活用面・留意点

  • 本技術の活用によって、12~3月のアマリリスの切り花の収穫と出荷が可能になる。また、季咲き時期でない夏場(8月)に開花させ利用することも可能である。
  • 供試品種の特徴は表3のとおりである。
  • 12~3月の栽培は保温栽培を行う。
  • 保温効果は冬に地上部が枯死する品種の方が高い。
  • 採花数および開花率を高めるには、できるだけ大きな球根(直径6cm以上)を用いるほうが良い。
  • 掘り上げた球根を10°Cで保存する際は、ビニール袋よりもネット袋の方が望ましい。

具体的データ

表1

表2

表3

(沖縄県農業研究センター)

その他

  • 研究課題名: アマリリスの切り花栽培技術確立
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2007~2009年度
  • 研究担当者: 渡邊 武志、関塚 史郎