九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

リシマキア・キリアータ「ファイヤークラッカー」の電照による周年出荷体系

要約

リシマキア・キリアータ「ファイヤークラッカー」は、電照下で生育させることで、自然開花期以外の時期も開花する。また、切り下株を電照すると2番花以降順次開花することから、これらの組み合わせにより周年出荷が可能である。 

  • キーワード: リシマキア・キリアータ、電照栽培、周年出荷
  • 担当: 佐賀農業セ・栽培技術部・花き研究担当
  • 代表連絡先: Tel:0952-45-2141
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 技術・普及 

背景・ねらい

家庭用の切り花需要の増加とともに、消費者ニーズが多様化し新規性の高い品目を求めるようになった。そこで、有望な新品目としてリシマキア・キリアータ「ファイヤークラッカー」を選定した。本品種は、耐暑性が高く、増殖率が高い。また、長日開花性がある。
そこで、リシマキア・キリアータの開花調節について検討し、新作型による周年出荷体系を検討する。

成果の内容・特徴

  • リシマキア・キリアータ「ファイヤークラッカー」は、電照下で定植時期をずらすことで開花期を調節でき、周年出荷が可能となる。電照は定植直後から開花まで行う(表1、図2)。
  • 根域を制限すると、側枝の伸びが抑制され、草姿が改善する。(表2、図1)
  • 切り下株を無電照下に置くと、株からの萌芽はなく、ロゼット化する。2番花以降の開花では切り花品質が低下しないよう、茎数を株間10cm、条間15cmの6条植え(66株/m2)を目安に制限する。

成果の活用面・留意点

  • コンテナの替わりに育苗バット(35cm×50cm×10cm)等も利用できる。
  • 自然開花期は7月であるが、無電照では切り花長が短く、側枝が伸び、着花蕾数も少なく、品質不良であるため、長日期でも電照は必要である(データ省略)。
  • 株は地下茎で増殖率が高いため、切り花品質を考慮して、年1回は植え替える必要がある。

具体的データ 

表1

図1

表2

図2 

その他

  • 研究課題名: 新規導入花き類の生理生態解明と開花制御技術の開発
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2003~2006年度