生物系特定産業技術研究支援センター 農業機械化促進業務

緊プロ開発機のご紹介

可変施肥装置(追肥用)

(2008年発表)

簡単操作で高精度施肥、肥料節減の切り札

  • 簡単操作で、車速に連動した精密施肥
  • 新型繰出機構により、1~140kg/10aまでの幅広い散布量に対応

写真
図1 可変施肥装置(追肥用)の外観

1.利用のメリット

  • 生育状況の異なる条件に応じた可変施肥により、収量・品質むらの是正や肥料の過剰投入抑制による環境負荷の低減が可能。

  • 面倒な調量が不要で、ボタン操作で高精度な施肥量設定ができ、受託作業などの大規模作業における作業の効率化が可能。

2.開発機の概要

  • 資材ホッパ、繰出装置、10m及び15mに対応する搬送ブーム、送風機および可変施肥機能を有する制御装置等から構成される、乗用管理機搭載式の散粒機である。(図1、図4)

  • 繰出装置は、長さの異なる繰出ロールを3個備え、そのうち2個がワンウェイクラッチを介して駆動されるため、駆動軸の回転方向を切替えると駆動されるロールの有効長が切り替わり、駆動軸1回転当たりの繰出量を約4倍に増加させることが可能である。(図2)

  • 駆動軸の回転方向と回転数の変更は制御装置が自動的に行うため、散布量設定の操作を行うだけで、0.6~29.8kg/minの幅広い散布量範囲において高い精度が得られる(図3)。

  • 資材のかさ密度と散布量の入力による簡単な機械設定、増減ボタンの操作による作業中の施肥量変更、累積施肥量表示等が行える可変施肥装置を搭載している。

3.活用上の留意点

調量を行わず散布量精度を高めるためには、事前に肥料のかさ密度を調べる必要がある。

4.共同研究実施会社

井関農機株式会社、初田工業株式会社、有限会社東製作所

5.主要諸元・構造

  • 機体(格納時の施肥装置)の大きさ

    全長:288 cm  全幅:140 cm 全高:175 cm  質量:95 kg

  • 操出・散布装置

    操出方式:溝ロール式

    操出部の駆動方式:DCモータ

    タンク容量:220L

    散布量調整範囲:1~100kg/10a (※ 作業幅10m、作業速度0.5m/s、かさ密度0.94の場合)

    散布幅:10m、15m(2段階)

  • 操作パネルの機能

    施肥量設定、風量調節、ブーム開閉、散布開始・終了

  • 搭載車両

    乗用管理機

  • その他

    肥料タンク内に粒剤タンク(15L)を装備

図2 繰出部の概略構造と正逆転時の動 図3 設定繰出量と実繰出量の関係 (各資材のかさ密度は、肥料1:0.94、 肥料2:0.75、粒剤:1.12)

6.作業性能

  • 調量作業を行うことなく、施肥量(kg/10a)と肥料のかさ密度を入力することにより、車速に連動して操出量を調節し、高精度(±5%以内程度)な施肥作業ができる。

  • 複数の操出ロールと操出軸の正逆転を組み合わせたことで、1~100kg/10aという幅広い散布量の調整ができる。

  • 開発中の農用車両用作業ナビゲーターを接続することにより、収量情報や葉色情報などから作成した施肥マップに基づく施肥を、マニュアル入力することなく全自動で行うことができる。

    (試験場所:宮城県大崎市、新潟県長岡市、福井県農試、九州沖縄農業研究センター、生研センター付属農場)

図4 可変施肥機(追肥用)による作業(大豆追肥)

研究センター