中日本農業研究センター

高生産性水田輪作システム

低コスト・安定多収生産の基盤技術

コストパフォーマンスに優れた水田輪作システムを構築する基盤として、水稲と大豆の安定的な多収栽培技術を開発します。水稲では飼料用や米粉用などの新しい需要に適合した超多収品種の生産技術を構築します。大豆では根粒の機能を最大限発揮させる栽培技術を確立します。

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研究課題

  • 日本の気候風土に適したインディカ系多収水稲品種の安定的な超多収栽培技術を開発します。
  • 肥料など資材使用量の節減にも配慮した低投入型の水稲生産技術を開発します。
  • 作業能率の高い直播技術など、コスト低減に大きく貢献する省力的水稲生産技術を開発します。
  • 土壌の特性と根粒の窒素固定の関係を明らかにして、安定して大豆の多収を可能にする栽培技術を開発します。
  • 出芽・苗立ちなど大豆の生育と生産性に影響する病害を特定し、防除技術を開発します。

関東東海北陸地域の水田輪作システム

水稲・麦・大豆を基幹とする輪作システムや多収で低コストのイネ生産システムを確立することは、わが国の自給率向上に直結する重要な課題です。また、北陸地域では重粘土・多雪条件を克服し、高能率で低コストの水田輪作システムが求められています。

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研究課題

関東東海

  • 排水促進と地下灌漑が可能な地下水位制御システムを活用して、省力的で低コストな不耕起栽培体系や小明渠浅耕栽培体系による稲・麦・大豆の2年4作や、3年5作の多毛作による輪作体系を開発し、生産コストの大幅な削減と作業時間の短縮を目指します。

北陸

  • 地域の条件にあった「稲-麦-大豆」の2年3作体系を前提とした①作物の切り換えを容易にする省力化技術、②品種や地域特性を活かした栽培技術を開発します。
  • 地下水位制御システムによる低コスト水田輪作システムを提案します。

農業経営と地域農業の発展を支える

農業を取り巻く社会経済的条件や自然的条件を科学的に分析するとともに、それらに基づく対応方策の構築を通して、個別経営や地域農業の発展と活性化に寄与していくことが求められています。

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研究課題

  • 地域農業の動向解析を通して農業技術の開発方向を提示するとともに、環境保全的視点を組み込んだ技術の経営評価手法を開発し、水田作、畑作等に関わる先導的な生産技術体系の経営的評価を行います。
  • 若い農業者の就農を促進するため、家族以外への事業継承等の農業への多様な参入方式や人材育成方策を策定するとともに、作物別技術・収支データベースを組み込んだ営農計画手法と農業版経営診断システムの開発を通して、新たな経営管理システムを確立します。

農業の6 次産業化に向けて、第1 次産業と食品産業等との連携を通して新しい地域農業ビジネスモデルの構築に寄与していくことが求められています。

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研究課題

  • 農研機構で開発された新技術や新品種等を活用して生産性向上を目指す地域農業のビジネスモデルを構築し、現地実証等を通してその有効性を検証します。
  • 農業と食品産業との連携による高付加価値商品の開発を支援するために、消費者の農産物購買・消費行動データの収集・分析システムを開発した上で、農研機構で開発した新品種や新技術を核とするコンソーシアム運営を通じて食品産業との連携関係を構築する方法を策定し、連携効果の定量的評価を通じて体系化を図ります。