北海道農業研究センター

水田機械作業グループ

可変施肥機による水稲乾田散播

水田機械作業グループでは、北海道地域の水田作における先端的な省力機械作業技術に関する研究を実施しています。

北海道の水田作地帯においては、今後農家人口の急激な減少が予想されています。そのため、耕地面積の維持・拡大のためには家族経営での慣行の水稲移植栽培体系での規模限界を超える40ha/戸以上の営農に対応した省力的な栽培・作業技術体系の確立が必要です。そこで、作業ピークの突出する春作業の省力化に主眼を置き、水稲の直播栽培等の省力栽培技術とGPSを利用した可変施肥機などのICTを融合した、次世代の水田作業技術の開発を進めます。以下に研究の概要を紹介します。

稲作における省力栽培技術の開発

水稲乾田直播において、従来のドリル播種に比べて一層の省力化と農業機械費の低減が期待できる水稲乾田散播技術の開発を進めています。GPSを利用した可変施肥機を散播に応用することで、労働時間の短縮を目指します。また、ハンドル操作をしなくても自動的に目標経路に追従する自動操舵装置をトラクタや田植機等に利用して、未熟練のオペレータによる作業を可能とし、夜間作業を可能にするための技術開発を進めています。

転換畑作物の省力・低コスト生産技術の開発

転作率の高い北海道では、水田転換畑での小麦や大豆等の畑作物の本作化、省力化に向けた技術開発も重要です。そこで安価な生育センサによる大豆や小麦の生育診断に基づく省力安定生産技術を開発します。また、生育診断の結果に基づき、施肥や排水改良を効率的に行うための作業技術の開発を進めています。

業務用露地野菜等の新規導入作物の省力栽培技術の開発

経営基盤を強化するために、収益性の高い新規作物の導入が望まれています。そこで、野菜の中で海外からの輸入量が最も多いタマネギの国内生産拡大に貢献するため、収穫作業の省人化を目的とした根切りや掘上げなど収穫関連作業機の自動化技術の開発に取り組んでいます。
この他、薬用作物の機械除草技術や機械収穫技術を開発します。

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