北海道農業研究センター

水田輪作体系グループ

水田輪作体系グループでは、北海道地域における合理的な大規模水田輪作体系の確立に関する研究を実施しています。

これまで、水稲栽培の省力化を進めるため、乾田直播栽培の乾籾播種の可能性を探ってきました。その結果、地下灌漑を用いることにより、乾籾播種後の苗立ちの安定化を図ることができました。これにより、北海道の水田作地帯において、乾籾播種技術が普及し、乾田直播栽培がさらに拡大していくと考えられます。このような成果をふまえ、現在、当グループでは、以下の研究を進めています。

先導的水稲品種を用いた低コスト多収栽培技術の開発

北海道の業務用水稲品種としては、「きらら397」が広く栽培されていますが、近年では更なる低コスト化が求められており、より収量性の高い品種の導入が不可欠です。そこで、北海道向け業務用多収品種を用いた疎植栽培や無代かき栽培などの省力化技術や多収栽培技術の導入による低コスト省力化を行うとともに、栽培マニュアルの作成を進めます。

転換畑における大豆、小麦の安定生産技術の開発

北海道の転換畑の大豆収量は近年伸びが小さくなってきています。これには、土壌養分の偏りなどの原因が考えられ、植物体の栄養状態や土壌の物理性を総合的に診断して、改善方向を明らかにしなければなりません。このため、転作大豆の安定生産と収量向上の方策を提示できるような植物体や土壌などの簡易診断法の開発を進めます。また、土質の改善や水稲の増収が期待される無代かき水稲栽培を田畑輪換体系に導入した際の影響や、大豆間作小麦栽培における小麦収量性や肥料節減について調査を行い、これらの省力栽培技術が畑作物の生産性や地力維持を両立した水田輪作体系を示します。

転換畑におけるタマネギの省力安定生産技術の開発

露地野菜等の導入による収益性の高い水田営農システムの実現に向けて、タマネギ栽培における地下灌漑圃場を利用した適切な土壌水分管理に加え、直播栽培とリン酸直下施肥技術を組み合わせて省力化を図ります。

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