農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

可変径式TMR成形密封装置

(2011年発表)

牛も喜ぶ高品質発酵TMR!大きさを自由に設定

  • TMRをニーズに応じた直径または質量にロールベール梱包
  • 高密度梱包で高品質なロール発酵TMRに調製可能

写真
可変径式TMR成形密封装置

1.利用のメリット

TMRを農家のニーズに応じて、直径が0.85~1.1mの範囲で高密度なロールベール(以下、ベール)に成形し、ラップフィルムで密封する作業を自動で行うことで、省力化、品質の安定化が期待できる。

2.開発機の概要

  • 開発機は、荷受部、可変径式成形部、密封部、還元部から構成される(図1、表1)。可変径式成形部の成形室(幅0.86m)は、幅広ベルト可変径式で、ベールの直径を0.85~1.1mの範囲で成形できる。本装置は、37kW以上の電動モータで駆動する。トラクタPTOによる駆動も可能である(図2)。
  • 本装置は、荷受部から成形室に供給されたTMRをロール状に成形し、成形するベールの直径を供給量に応じて自動的に拡大する。ベールが設定した径または質量になると、供給を停止し、ネット結束、成形室からの排出、ラップフィルムによる密封を自動で行う。
  • 材料内訳や含水率が異なるTMR(表2)を、最小径ベールと最大径ベールのベール質量比で1.7~2.0倍、乾物密度は300kg/m3(粗飼料主体のものは200kg/m3)以上の直径の異なるベールに成形密封できる(表3)。毎時処理量は8~18t程度である。
  • 成形から密封までのこぼれによる損失割合は、1%以下である。

3.活用上の留意点

セミコンプリートフィードや食品製造副産物が多くを占めるものは、成形が困難な場合があり、粗飼料の混合割合を考慮する必要がある。

4.共同研究実施会社

株式会社IHIスター

5.主要諸元・構造

本装置は、荷受部、可変径式成形部、密封部、還元部から構成される(表1、図1)。可変径式成形部の成形室(幅0.86m)は、幅広ベルト可変径式で、ロールベール(以下「ベール」)の直径を0.85~1.1mの範囲で成形できる。37kW以上の電動モータまたはトラクタPTOで駆動する。

主要諸元・構造

6.作業性能

  • 材料内訳や含水率が異なるTMRを、最小径ベールと最大径ベールのベール質量比で1.7~2.0倍、乾物密度は300kg/m3(粗飼料主体のものは200kg/m3)以上の直径の異なるベールに成形密封できた。
  • 毎時処理量は8~18t程度であった。

  • 成形から密封までのこぼれによる損失割合は、ベール質量と損失の合計に対して1%以下であった。

  • ベールは、直径と質量のいずれかで設定可能である。ベール直径は、最小0.85m、最大1.1mの範囲で設定できる。質量設定は、対象TMRの最小径から最大径の質量範囲内で設定でき、設定値に対する質量の差は±10kg程度であった。
  • ベールに調製し、密封したTMR(2010年8月~11月に調製)を2~3週間後に品質調査をしたところ、カビの発生は認められなかった。

(試験場所:北海道千歳市、北海道中標津町、北海道音更町、山形県真室川町、広島県庄原市)