九州沖縄農業研究センター

スクミリンゴガイ

水田への侵入防止網

水路からの侵入をストップ:侵入防止網

前年に大豆に転作したり、田植えまたは直播後に薬剤で防除したりして、せっかく水田内の貝密度を下げても、水路から多数の貝が入ってくると、稲に被害が出てしまいます。

どの程度貝が入ってくるかは、場所によりまちまちです。砂や枯れ草がたまっているような水路、または貝の多く生息する溜池や河川から直接水を引い ている水路では、水口からの貝の侵入が多い傾向があります。一方、パイプラインを通して水を運び、蛇口から水が出るようなタイプの水口では、侵入はあまり ないようです。

水口に侵入防止網を金具などで取り付けると、加害力の高い大きな貝はシャットアウトできます。網の目が荒すぎると大きな貝がすり抜けてしまい、あ まり細かいと枯れ草などですぐ詰まってしまいます。移植用には9mm目合い、小さな貝でも被害が生じる直播用には6mm目合い程度が適当でしょう。網を外 さずに詰まったゴミを取り除くため、下部にチャックを装着した網袋も考案されています。

実際に福岡県の夜須町の水田でテストしてみたところ、最高で1日約200匹の貝の侵入を阻止しました。

スクミリンゴガイ用侵入防止網(左)と 水口の土管に取り付けたところ(右)スクミリンゴガイ用侵入防止網(左)と 水口の土管に取り付けたところ(右)