九州沖縄農業研究センター

所長室から

目標を決めて、計画を立てよう

所長 山川 理

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私達は新しく研究を始めるときに、まずその研究の社会的背景を考え、そして問題解決の目標を設定し、次に研究方法や手順を選択する。最後に、その研究によりどのような成果が得られ、その成果がどう役立つのかを考察する。この一連の作業が論理的に整理され、誰にでも分かりやすく纏められていれば申し分ない。もとより研究は計画通りには進むものではないが、初めにこのような流れを考えてみることは有益だと思う。学生時代の私はよく「計画人間」と言われた。毎年新学期になると必ず一年間の勉強計画を立てる。教科毎に参考書を選び、どのような日程で内容を消化していくかを考える。当時の学習雑誌「○○時代」を手引き書にして、1週間くらい計画作りに没頭した。完成した計画表は綺麗に清書して勉強机の前に貼っておいた。計画表を眺めると何かもうそれだけで優等生になったような爽快な気分がしたものだ。いつも120%位の努力目標を設定するので、計画通りに進むことはなく、途中でよく変更した。計画というものは思い通りにはいかないのが常であるから、初めから甘めのものを作ることは良くない。志は高く持つことが肝心だ。最終的に80点とれば合格である。

新「所長補佐官」ご紹介

人事・目標担当補佐官 武政正明

takemasaプロファイル:昭和24年岐阜市生まれ。入省後は、家禽の栄養・飼料の研究に従事。趣味は音楽鑑賞とドライブ。

メッセージ:補佐官は所長が的確な判断を下すためのブレインと理解しています。当面は次期中期計画の策定に向けて研究課題の重点化を検討していきます。現行の中期計画は試行錯誤のなかで作った計画であり多くの問題を含んでいます。次期の中期計画の策定では、前回の反省を踏まえ、5年間で具体的に現場で役立つどういう技術を開発するのかがみえる計画にすることが求められています。外部から見ても理解できる中期計画の策定に向けて、皆さんの協力のもとで検討を進めていきます。宜しくお願いします。

広報・情報担当補佐官 田中基晴

tanakaメッセージ:この4月に総合研究部長を拝命しました。
前任地は中央農業総合研究センターで、研究交流科長・研究調整官それぞれ2年務 め,都県との調整や産学官連携の一端を担ってきたつもりですが,幾ばくかの貢献が できたかどうか、いささか心許ない思いがしています。
さて,九州の地は、青春時代を過ごした思い出深い地です。北海道・つくばを回っ て再び熊本の地に来てみると、場内はもとより周辺の様子,農業の姿も随分変わり, 隔世の感がしています。「昔は良かったねぇー」。回顧趣味ではないが,今思えば牧 歌的な熊本も懐かしく感じさせられます。
ところで農研機構は,来年度から独法化2期目に入り成果が求められています。し かし,だからこそシーズの養成が重要だと強く認識しています。日本に先んじて独法 化したニュージーランドのある所長は,「我々はこの10年間で過去のシーズを喰い 尽くし,枯渇させてしまった」と語ったそうです。
夕陽の中で力強く働く青年を描いたミレーの「種蒔く人」。岩波のロゴマークにも なっている有名な絵で,岩波は「知の種を蒔く」ことを意識したのでしょう。総合研 究も収穫ばかりではなく,同時に種を蒔くことを意識しなければ,と痛感しているこ のごろです。

体制・評価担当補佐官 岡本正弘

okamotoメッセージ:今年の4月1日付けで、折登前研究調整官の後任として着任しました。
色黒なのでよく九州(とりわけ沖縄)出身と間違えられますが、元々は東国(埼玉)育ちです。今から二十数年前のことになりますが、関門海峡を抜けてはじめて目にした九州の広々とした麦畑の風景は、今でも思い出されます。小高い山々の木々から線路脇の雑草に到るまで、九州は植物が元気だなというのが最初の印象でした。
昨年は「所長キャラバン」に同行し、北部九州の田園地帯から南九州の広大な畑作地帯まで九州各地の農業地帯を見学することができました。今では「九州の農業は元気だな」と感じています。
地域農業センターには、所内の他分野の研究者との連携をとりやすいという専門場所にはないメリットがあります。
産学官や所内の連携をいっそう深め、九州・沖縄の農業をさらに元気づける研究成果が生み出せるよう努力したいと思っています。