要約
ビワ「なつたより」では「シャンパン」実生を台木とすることで、幼木時の樹容積が実生台木(共台)よりも早期に増加するため、早期の収量確保が可能となる。また、「シャンパン」台木の果実品質は共台と同等であるが、2L以上の大果割合は共台より多い。
- キーワード:ビワ、なつたより、シャンパン、台木
- 担当:長崎農技セ・果樹・ビワ落葉果樹研究室
- 代表連絡先: Tel:0957-55-8740
- 区分: 九州沖縄農業・果樹
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
「シャンパン」実生をビワの台木とすることで、接ぎ木部分からのがんしゅ病の罹病を回避できる。しかし、「シャンパン」は樹勢が強く、台木として利用した場合、果実品質への影響が懸念されるため平成21年に新規登録された「なつたより」について、「シャンパン」実生を台木に利用した際の果実や樹体の特性について実生台木(共台)とで比較する。
成果の内容・特徴
- 「シャンパン」台木は共台に比べ枝数、樹容積および1樹当たりの収量が多い(表1、表2)。収穫果実の2L以上の割合は共台で77%程度なのに対し、「シャンパン」台木では85%程度と多い(図1)。
- 果実重、糖度、酸含量、および、果皮障害の発生率に台木の違いによる有意な差は認められない(表3)。
成果の活用面・留意点
- 1年生苗木を慣行方法で植え付け、4年生樹を対象に調査した結果である。
- 植え付け間隔は2mで行い、植え付け4年目に間伐を実施した。
具体的データ
(松浦 正)
その他
- 研究課題名: ビワ新品種による超多収・良食味果実生産技術の確立
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2006~2010年度
- 研究担当者: 松浦 正、中里 一郎、中山 久之、徳嶋 知則