九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

ヒートポンプ利用によるハウスミカンの加温経費削減効果

要約

ハウスミカン栽培において、重油加温機の代替にヒートポンプを熱源として使用した場合、3a当たりの比較では年間の加温経費削減率は、A重油価格80円/Lで30%、90円/Lで38%、100円/Lで44%と試算される。

  • キーワード: ハウスミカン、ヒートポンプ、経費削減率
  • 担当: 佐賀果樹試常緑果樹研究担当
  • 代表連絡先: Tel:0952-73-2275
  • 区分: 九州沖縄農業・果樹
  • 分類: 技術・参考

背景・ねらい

ハウスミカン栽培においてはA重油価格高騰による生産経費の増大が問題となっている。そこで、熱効率が高く経費削減に有効と思われるヒートポンプを用いた加温栽培を行い、その電気消費実態をもとに重油加温と比較した経費削減効果を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 加温期間中の月別の平均気温は、ヒートポンプ加温年は12月と4月が重油加温年より低く、1月は高い。2月、3月、5月は両者に大きな差は無い(表1)。
  • 加温開始から加温停止までのヒートポンプの電気使用量は3a当り約33,000kWhであり、稼働時間を電気料金別にみると昼間料金時間に45%、夜間料金時間に55%である(表2)。
  • 電気料金別の稼働時間をもとに電気使用量を算出し、低圧季時別料金により3a当りの経費を試算すると、基本料金が226,800円、昼間料金166,729円、夜間料金146,212円で合計539,741円となる(表3)。
  • 同一ハウスにおける2年間の3a当りのA重油加温使用量をもとに、重油の価格別にヒートポンプの経費削減効果を算出すると、A重油価格80円で30%、90円で38%、100円で44%と試算される(表4)。

成果の活用面・留意点

  • 本成果は宮川早生を植栽した面積3aの硬質ビニルハウスおいて、7.5kwヒートポンプ2台を用いて加温栽培を行った結果から得られたものである。
  • 重油加温経費の算出には加温機の電気使用料は含んでいない。 

具体的データ

表1

表2

表3

表4

その他

  • 研究課題名: ハウスミカン栽培における省エネルギー化技術の構築
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2004~2007年度