要約
満開後約30日目におけるマンゴー「アーウイン」は、縦径(長さ)が長く、果実のくちばし(花柱痕)上部のくぼみが無いか小さく、横径比(幅/厚さ)が1よりも大きい果実を残すことにより、有胚果率が高くなり、生理落果が少ない。
- キーワード: マンゴー、アーウイン、幼果、果形、果径
- 担当: 鹿児島農総セ果樹・栽培研
- 代表連絡先: Tel:0994-32-0179
- 区分: 九州沖縄農業・果樹
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
マンゴー「アーウイン」では、摘果が早いほど収穫時の果実重が重くなり、やに果が少なく、着色が良くなることが、これまでの研究で明らかとなっているが、有胚果と無胚果の判別が正確に行われなければ、早期摘果による前述のメリットが少なくなる。また着果数が少ない園では、より確実に有胚果を判別しなければならない。そこで、果形による有胚果と無胚果の判別法を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 満開後約30日目の果実は、果形から4タイプに分類される(図1、表1)。
I型:くちばしの上部のくぼみが無く、横径比(幅/厚さ)が1よりも大きいもの
II型:くちばしの上部のくぼみが小さく、横径比が1よりも大きいもの
III型:くちばしの上部のくぼみが大きく、横径比が1程度かそれよりも小さいもの
IV型:くぼみ部分に縦に筋が入っており、横径比が1程度かそれよりも小さいもの - くぼみが無いか少なく、横径比が1よりも大きい果実(I型、II型)は、縦径別有胚果率が高い(表3)。
- I型、II型およびIII型では縦径(長さ)が長いほど有胚果率が高い(表3)。
- I型は生理落果が少なく、III、IV型は生理落果しやすい(表2)。
- 摘果時は、I型、II型で縦径が長い果実から優先的に残し、不足する場合には縦径がやや短くてもI型の果実を残す(表2、表3)。
成果の活用面・留意点
- 普及対象は、ハウス栽培マンゴー「アーウイン」の栽培地域とする。
- 本試験では開花盛期から夜温を24°Cで管理しており、これより低い温度で管理すると、満開後約30日目の果実が小さくなる場合がある。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 消費者に喜ばれる個性的果樹の高収益栽培体系の開発
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2004~2008年度