要約
製茶加工残さは、一番茶よりも二番茶の方がα-トコフェロール含量及びカテキン含量が高く、市販飼料に製茶加工残さを添加して肥育豚に給与する場合、二番茶の方が背脂肪厚低減効果が高く、肉質中のα-トコフェロール含量が増加する。
- キーワード: 製茶加工残さ、肥育豚、α-トコフェロール、二番茶
- 担当: 佐賀畜試・中小家畜部・養豚環境研究担当
- 代表連絡先: Tel:0954-45-2030
- 区分: 九州沖縄農業・畜産草地(家畜)
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
佐賀県の特産農産物である緑茶は、α-トコフェロールやカテキン類を豊富に含む食品であるが、製茶加工の際に発生する残さの再生利用が求められている。そのため、肥育豚への飼料利用を検討するために、市販飼料に製茶加工残さを1~2%混合して給与試験を実施し、枝肉中の背脂肪厚の減少とともに、肉質中のα-トコフェロール含量が高くなることを確認している。そこで、一番茶よりも渋みは増すものの、機能性成分が高くなる二番茶における給与試験を行い、枝肉、肉質等について調査を実施する。
成果の内容・特徴
- 製茶加工残さは、一般の肥育豚飼料と比較してα-トコフェロール含量が顕著に高い。また、一番茶と比較して、二番茶の方がα-トコフェロール含量及びカテキン含量が高い(表1)。
- 一番茶及び二番茶製茶加工残さの給与により、枝肉中の背脂肪厚は低減される傾向を示すが、枝肉重量等他の枝肉形質は影響を受けない(表2)。
- 製茶加工残さの給与により、胸最長筋中のα-トコフェロール含量が高くなり、二番茶区は対照区と比較して有意に高くなる(表3)。
成果の活用面・留意点
- 市販飼料に対する製茶加工残さの添加割合を多くすると肥育豚の増体が低下するため、添加割合は肥育前期(30kg~70kg)に2%、肥育後期(70kg~110kg)に1%を限度とした方がよい。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 製茶加工残さを利用した安全で高品質な豚肉生産技術の確立
- 予算区分: 県単(産業間連携新技術開発促進事業)
- 研究期間: 2007~2008年度