九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

品種や中切り更新時期の違いによる再生芽の生育特性

要約

茶樹の中切り更新後の再生芽数および再生部位は更新時期で異なり、一番茶後の中切り更新の時期が早いほど、再生芽数は少なくなり、特に表層に近い部位での再生芽の発生は少ない。また、「やぶきた」の再生芽数は他の品種に比べ表層に近い部位で少ない。

  • キーワード: チャ、中切り、再生芽、品種、発生部位
  • 担当: 鹿児島農総セ・茶業部・大隅分場 
  • 代表連絡先: Tel:099-474-0010
  • 区分: 九州沖縄農業・茶業
  • 分類: 技術・参考

背景・ねらい

中切り更新は、樹勢回復を目的に一番茶後に行うが、更新後の再生芽の生育は品種、更新時期、更新位置によって萌芽期や芽揃い、再生芽数、再生部位などが大きく異なる。また、秋期までの生育期間が長く、再生芽の生育に応じた整枝技術を確立する必要がある。
そこで、合理的な更新技術とその後の整枝技術を確立するため、更新後の再生芽の生育特性を検討する。

成果の内容・特徴

  • 「やぶきた」では一番茶後中切りを5月1半旬、3半旬、5半旬に行った場合、更新時期が早い5月第1半旬では全芽数および表層部位の芽数が少ない。5半旬では全芽数が多く、特に表層部位が多い。3半旬は1、5半旬の中間の特徴を示す(図1)。
  • 「やぶきた」では、中切り翌年の一番茶収量が中切り後の整枝方法にかかわらず、5月5半旬処理が多い傾向にある(図2)。
  • 品種間の再生芽は、「やぶきた」が他の品種に比べ表層に近い部位で少ない(図3)。
  • 中切り後、初回整枝までの再生芽生育量が多い品種は「あさのか」、「かなやみどり」、「おくみどり」、少ない品種が「あさつゆ」で、整枝後の秋芽生育量が多い品種が「あさつゆ」、「おくみどり」、少ない品種が「かなやみどり」である(図4)。

成果の活用面・留意点

  • 更新後の再生芽生育を予測する場合の参考となる。
  • 品種別生育は、更新間隔が3年で、中切り後の整枝位置を一定とした結果である。
  • 鹿児島県大隅地域における平成19年中切り園での結果である。

具体的データ

図1

図2

図3

図4 

 

その他

  • 研究課題名: 中切り、深刈り等更新後の管理体系試験
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2005~2008年度