九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

花色が濃黄色の夏秋輪ギク新品種「フローラル金優花」

要約

「フローラル金優花」は花色が濃黄色で、その他の特性が「フローラル優香」とほぼ同じであり、「フローラル優香」と同一栽培管理が可能である。 

  • キーワード: 夏秋輪ギク、フローラル優香、フローラル金優花
  • 担当: 鹿児島農総セ・花き部、鹿児島バイオ研
  • 代表連絡先: Tel:0993-35-0210
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 技術・普及  

背景・ねらい

輪ギクを周年生産する上で夏秋輪ギクは重要な品種群であるが、鹿児島県の夏季に安定して生産できる黄系品種は少ない。一方、本県の夏季における白系輪ギク品種の主力は「フローラル優香」であり、同一栽培管理が可能な黄系品種の育成が求められている。
そこで、「フローラル優香」と同一栽培管理ができる黄系品種の育種に取り組む。

成果の内容・特徴

  • 平成16年に、「フローラル優香」の枝変わりである薄黄色系統株を母材に、培養による変異誘発を行った。
  • 平成17年に個体選抜、18年に系統選抜、19年に系統適応性検定試験及び県内主産地で現地試験を実施し、特性の優れた1系統を「フローラル金優花」と命名して品種登録出願を行った。
  • 「フローラル金優花」の特性は以下のとおりである(表1、表2、図1)。
    1)花色は濃黄色で、花弁に光沢がある。
    2)到花日数は、8月出しシェード(12時間日長)栽培で44日、9月出し無シェード栽培で51日と「フローラル優香」より2~3日遅い。
    3)草丈は、栄養生長期間(6週)中にジベレリン処理(定植2週目に50ppm+5週目に30ppm)をした場合、100cm以上確保できる。
    4)90cm切り花重は、「フローラル優香」と同等である。
    5)花容は「フローラル優香」と同等である。
    6)無側枝性は「フローラル優香」と同等であるため、摘蕾作業を省力化できる。
    7)同じ栽培管理で生育・開花特性が「フローラル優香」とほぼ同等であるため、「フローラル優香」と同一栽培管理が可能である。

成果の活用面・留意点

  • 本品種は品種登録出願中であり、栽培には許諾が必要である。
  • 8、9月出しは無シェード栽培を行うと花弁がねじれやすいため、「フローラル優香」と同様にシェードによる12~12.5時間日長管理が必要である。

具体的データ 

表1

表2

図1  

その他

  • 研究課題名: 暖地向きキクの優良品種育成試験
  • 予算区分: 県単
  • 研究期間: 2002~2007年度