九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

アルストロメリアの有望品種

要約

定植1年目の収量、品質から判断すると、「29827-2」、「オライオン」、「パスカル」、「レイチェル」が有望品種である。

  • キーワード:アルストロメリア、品種比較
  • 担当:大分農林水産研・花き研
  • 代表連絡先: Tel:0977-66-4706
  • 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類:技術・参考

 背景・ねらい

アルストロメリアの切り花生産で安定した経営を続けるためには、改植時に生産性及び市場性の高い品種を導入することが重要である。そこで新品種に対し、早期安定出荷のために県内で広く普及している地中冷却及び養液土耕の栽培条件下における開花特性等を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 総採花本数は「オライオン」が113本と最も多く、「レイチェル」が70本以上、「26631-2」、「27726-4」、「27726-5」、「29827-2」、「パスカル」、「フロリアーノ」、「メモリー」が60本以上であった(表1)。
  • 優品率が高い品種は「24753-3」、「24098-2」、「30306-2」であった(表1)。
  • 優品率の低い品種は「24559-4」、「ドリス」、「ナオミ」、「アズーロ」で、特に「24559-4」、「ドリス」、「ナオミ」はブラスチングの発生、「27726-4」、「27726-5」、「L229」、「フロリアーノ」、「メモリー」は曲がりの発生、「24559-4」、「L229」、「オライオン」、「フロリアーノ」では葉焼けの発生が多かった(表1、表2)。
  • 以上、生産性及び品質から判断し「29827-2」、「オライオン」、「パスカル」、「レイチェル」が有望と考えられた。

成果の活用面・留意点

  • 本成果は1条植え(定植本数1450本/10a)、養液土耕栽培(窒素施肥量90kg/10a)で得られた結果である。地中冷却は、地下5cmに20cm間隔で2本の冷却管を埋設し8°Cの水を2008年6月26日から10月31日まで終日循環させた。
  • 有望品種は対照品種に比べて総採花本数または年内採花本数の多いこと、優品率の高いことを条件に選定した。また、採花本数が少ない品種でも市場での評価が高く、高単価が期待できるものは有望品種とした。

具体的データ

 表1

表2

 

その他

  • 研究課題名:アルストロメリアの有望品種の選定と省力施肥技術の確立
  • 予算区分:県単
  • 研究期間:2008~2009年度
  • 研究担当者:清松慎司、渡邉英城