食品研究部門

食品健康機能研究領域

健康長寿につながるおいしく豊かな食生活をめざして

食品健康機能研究領域長 小堀 真珠子(こぼり ますこ)

【研究領域背景】

背景

日本人の平均寿命は女性で87歳、男性で81歳を超えて伸びています。日本の65歳以上の人口割合は2017年で27%以上に達し、健康長寿を支える食生活の重要性は益々高まっています。食生活は生活習慣病の予防や、高齢者の低栄養と虚弱の予防と改善、若年女性の痩せと骨量減少の予防と改善等、様々な世代の健康維持に関わります。私たちは農産物や日本食の新たな栄養・健康機能性の評価と解明、おいしさや食べやすさ等の感覚機能の新たな評価法開発等を行いながら、栄養、おいしさ、健康機能性に関する知見を集積、整理して、健康長寿につながるおいしく豊かな食生活への活用を目指しています。また同時に日本の農産物・食品の付加価値化を高め、地域を含めた農業・食品産業を活性化するため、おいしく、栄養・健康機能性に優れた高品質の農産物・食品の開発や評価を行っています。研究成果は機能性表示制度などを利用した栄養・健康機能性食品開発や介護食品の評価・開発、生活習慣病等の予防に向けた食サービス等にも活かされます。

今期の取り組み

様々な世代の一人一人の健康維持に役立てるため、生活習慣病予防、認知機能改善やその他の新たな栄養・健康機能性に関する評価技術の開発、機能性成分やその作用機構の解明を進めてきました。機能性成分の分析法の確立や、農産物中の成分含量、調理加工による変化等も明らかにしています。機能性表示制度により、生鮮農産物やその加工品の健康機能性が表示できるようになりましたが、農産物に含まれる成分の健康機能性の科学的根拠を示し、成分含量のばらつきを考慮して表示する必要があることから、その数はまだ多くありません。私たちは、農産物成分とその健康機能性の分析・評価に関わる技術や知見を活かし、生産者、食品企業等の加工業者や販売者、そして育種・栽培分野や医学分野等の研究者と広く連携し、機能性表示農産物・食品開発に取り組んでいます。これまでにホウレンソウ及びリンゴの機能性表示を実現しました(主な研究成果2、3)。また、食品のおいしさは食生活を支える重要な要素であり、低栄養が問題となる高齢者や若年女性等では、嗜好性や食べやすさ、消化・吸収しやすさ等が健康維持に大きく関わってきます。私たちは、おいしさ等に関わる感覚機能の評価法として、加工、調理、摂食、消化の過程で大きく変わる食品の物理特性に着目した新たな評価法の開発を行っています。その内、摂食中の食品の物理特性の評価法は新しい介護食品等に応用でき、ヒト胃消化シミュレーターは食品の胃での消化プロセスを評価することができます。また食品のおいしさと、味、香り、見た目等の感覚や、生理状態の関係に着目した評価法の開発にも取り組んでいます。

(画像)今期の取り組みについて

【主な研究成果】

第4期中長期計画における主な研究成果

1.「機能性弁当」の継続摂取による内臓脂肪低減効果

2.ホウレンソウの機能性表示食品届出

3.リンゴの機能性表示食品届出と加工品における関与成分の安定性

その他

4.機能性を持つ農林水産データベース

5.農産物・食品の総抗酸化能測定法マニュアル

6.タマネギ料理レシピ集

所属ユニット