食品研究部門

信頼性評価ユニット

役割

農産物・食品に対する信頼性を確保するためには、食品表示が信頼のおけるものである必要があります。ことに、多種多様な食材が、国内外の様々な産地から供給されている、現在のわが国の食料事情を鑑みますと、食品表示に対する信頼性をより一層高めることが求められます。そこで、信頼性評価ユニットでは、食品表示に対する信頼性を科学的側面から担保するために、化学的、および生化学的手法による産地判別、品種判別、遺伝子組換え体検知等の技術開発を行っています。具体的には、安定同位体比分析や微量元素組成分析等を利用した農産物の産地判別技術、DNA配列等を利用した品種判別技術や遺伝子組換え体検知技術の開発・高度化を実施しています。さらに、関係機関との連携を通じ、開発した技術の普及・標準化を図り、農産物・食品に対する信頼性確保に貢献します。

主な研究テーマ

農林水産物の産地判別

軽元素(炭素・窒素・酸素・水素)の安定同位体比は、生物が育った環境を反映することから、生物固有の"化学指紋"を読み取ることにつながります。また、微量元素組成分析も栽培地域の土壌中の無機元素組成を反映します。そこで、軽元素安定同位体比分析および微量元素組成分析による農林水産物の産地判別の研究を行っています。

農産物の品種判別技術の開発

農産物の品種表示の信頼性を確保するため、DNA分析を用いて品種を科学的に検証する手法の開発を行っています。LAMP法を用いたコシヒカリの簡易迅速判別キットの実用化、一度の分析で品種を決定できる品種特異的DNAマーカーの開発、デジタルPCRを用いた定量的な品種判別手法の開発等を行っています。

組換え遺伝子の検知技術の開発

2019年3月現在わが国でダイズ、トウモロコシ等351種類のGM農作物について食品としての安全性が確認され、米国、カナダ等から輸入可能となっています。現在、これら農作物とその加工食品については消費者への情報提供を目的とした表示が必要になっています。この表示制度の運用に必要となる組換えDNAを検知する実用的な技術の開発を進めています。また、数多くのGM農作物の開発が進められていることから、幅広い標的を対象とする簡易迅速な検知手法の開発を行っています。

メンバー

ユニット長

橘田 和美(きった かずみ) /専門:食品分析 博士(農学)

上級研究員

高畠 令王奈(たかばたけ れおな) /専門:植物生理学、植物病理学 博士(農学)

主任研究員

鈴木 彌生子(すずき やえこ)/専門:食品分析 博士(理学)

主要成果

こちらをご覧ください。