農業環境変動研究センター

作物温暖化応答ユニット

真瀬水田フラックスモニタリングサイト 1999年より観測を開始し、群落-土壌-大気間のエネルギー・物質交換量、群落微気象、一般気象、作物生育などを継続的に測定しています。

地球温暖化の進行が、将来の作物生産に大きな影響をおよぼすことが心配されています。本ユニットでは、気温や大気CO2濃度などの大気環境の変化が農業生態系におけるエネルギーや水、炭素、窒素などの循環を通して作物生産に与える影響と、それら循環の変化が大気環境に与える影響について、実験的・理論的な両面から研究を実施しています。

大気環境の変化が作物生産におよぼす影響に関する研究では、農耕地環境のモニタリングや環境操作実験(代表的なものとしては、FACE実験 があります)などにより、耕地生態系のエネルギー・物質循環や、高温・高CO2濃度による水稲の収量・品質への影響を解明するとともに、温暖化に適応するために必要な作物の形質や栽培管理手法の技術シーズを提示することも目指しています。これまでの研究により、高温・高CO2条件でのイネ生育・品質には、品種特性や肥培管理に依存した気温とCO2濃度に対するイネの複合的な応答と、それら応答と関係した群落微気象環境(群落温度、穂温、水温など)の変化が重要であることが明らかになってきました。群落微気象環境は、土壌-群落-大気間の熱・物質輸送過程を通して形成され、耕地生態系における水循環や大気環境(気温、湿度、CO2濃度など)にも影響を与えます。そのため、グローバルな大気環境の変動が、耕地生態系との相互作用を通して、農耕地周辺の水環境や局地気象の形成におよぼす影響についても研究を進めています。

さらにこれらの実験的・理論的な研究成果に基づき、同一の研究領域内の他のユニットのメンバーと連携して、将来の大気環境の変化が、コメの収量や品質、農耕地の水循環などに与える影響を評価するための「イネ・水田生態系の環境応答モデル」の構築に取り組んでいます。


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