農業環境変動研究センター

土壌資源評価ユニット

包括的土壌分類第一次試案による全国土壌図および土壌大群毎の分布面積割合(%)

土壌資源評価ユニットは、土壌資源に関わる様々な情報の集積および解析、土壌分類方法の開発、土壌情報のオープンデータ化およびウェブ配信等を行っています。

これまで当ユニットでは、国等が実施した農耕地土壌調査や土壌分類作成のための調査等の過去の土壌調査データ、それらの解析結果から得られる知見等、多くの土壌資源情報を蓄積してきました。また、わが国の林野と農耕地に広がる土壌の種類を統一的に分類できる包括的土壌分類第一次試案(一次試案)を公表し、1/20万包括土壌図を作成しました。それら研究成果の一部はオープンデータとして「日本土壌インベントリー(https://soil-inventory.dc.affrc.go.jp/)」等を通じてデータ配信を行い、各都道府県の農業改良普及所等が行っている営農指導、エコファーマー認定申請時の資料作成、農地からの温室効果ガス排出量の算定、関係省庁の環境行政施策への対応等に広く利用されています。

本ユニットではこれらを継続し、施肥基準の改訂や持続可能な土壌管理の技術開発のために、その時々の情勢に合った土壌情報を提供できるように、データの蓄積・発信を進めています。特に持続可能な土地利用を推進するために国際的に高まっている土壌情報の規格化(融合化)のニーズに対応するため、一次試案を用いて我が国全体の耕草林地の土壌情報を規格化し、国際的な比較評価を可能とする手法を開発します。それらの土壌関連データは、国際機関等と連携して行政関係者、生産者、研究者等が営農指導、施肥管理、研究開発等に利用しやすい形式で公開していきます。

一方、放射能汚染は、広範囲に深刻な問題を引き起こすことから、土壌資源の評価項目として重要です。本ユニットでは、大気圏内核実験、福島原発事故等によって引き起こされた土壌・作物などへの放射能汚染について、長期的にデータを収集し、その一部は「主要穀類および農耕地土壌の90Srと137Cs分析データ一般公開システム(https://vgai.dc.affrc.go.jp/vgai-agrip)」を通じて公開しています。本ユニットでは、福島原発事故の被災地域における営農再開を推進するための基礎的な知見を得るため、毎年度、福島県と連携して農地土壌の放射性物質濃度分布図の作成を行っています。また、基礎的な研究として、放射性核種の環境中での動態の解析を進めており、汚染地域での土層内の放射性セシウム等放射性核種の濃度分布や土壌-作物移行係数の変化を調査しています。これらの調査研究を継続することで、長期的な放射能汚染の影響予測が可能となるとともに、不測の原子力災害が起きた場合の分析体制が維持でき、土壌及び農畜産物の放射能汚染への即応が図られることになります。


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