生物機能利用研究部門

新産業開拓研究領域

新産業開拓研究領域の概要

日本では米価の低迷や農業従事者の高齢化に伴い、耕作放棄地(特に中山間における)の増加が大きな問題になっています。このため、農家の所得向上に繋がり、後継者の参入を促せる画期的高付加価値を有する農作物が求められています。この問題を解決する方策の一つとして、遺伝子組換え作物・カイコを用いた有用物質生産系の実用化が考えられます。植物・カイコを用いた医薬品原料、機能性成分の生産技術を開発し、実用化することにより、地域に新たな産業(新蚕業)や雇用の創出が期待されます。

組換えカイコが紡ぎ出す高機能シルクは通常のシルクと明らかに差別化できる高い付加価値を持つため、製糸業者や繊維・ファッション業界から高い関心を集めていますが、遺伝子組換え体を扱うことからその商品化には生産供給体制の確立が大きな課題となっています。この難題を解決するためには、養蚕農家における遺伝子組換えカイコの飼育・管理方法を確立し、適切な第一種使用規程を策定しその承認を得ることが必要です。また、多様な商品化のニーズに応えるには組換えシルクのポートフォリオを充実させることも重要です。

医療、香粧、電子、農林水産業分野、食品分野等で利用可能なサステイナブルな実用素材の開発が求められています。またシルクやコラーゲン等生体物質由来材料は生体適合性が高い素材として認知されており、多くの医療現場および医療関係企業から注目されています。これらの加工技術、品質安定化技術の開発や乾燥耐性等の生物の特異機能の模倣技術の開発等を通して企業に技術移転し、速やかな産業化を目指します。

領域長

桑名 芳彦 (くわな よしひこ)


所属ユニット