生物機能利用研究部門

作物生長機構研究領域

植物は、さまざまな他の生き物と協力し、あるいは戦いながら生長しています。当領域では、カビやバクテリア、ウイルスなどの病原体に対する植物の応答を分子レベルで理解し、植物の病害抵抗性を増強する技術の確立をめざしています。また、自然界には植物に病気をもたらす微生物がいる一方で、植物の生長を助ける微生物もおり、これらの植物-微生物相互作用の仕組みを利用して作物の生産性を高める技術の確立もめざしています。当領域の研究のもうひとつの柱は、植物の生長に悪い影響を及ぼす高温や乾燥などの環境ストレスに対抗する植物のしくみの理解とその利用技術の開発です。不良環境下でも旺盛に生長し結実する植物の能力を解明し、その制御や機能強化を通して、農業の省力化と安定生産を両立する技術開発をめざしています。当領域では、このような植物の病害制御や環境適応に関する基礎的な研究を進めるとともに、実験室で得られた効果を栽培現場で再現・向上する技術の確立を目指し、様々な作物の安定な生長と収量の確保を通して、地球レベルの環境変化や人口増加に対応した食料安定供給への貢献をめざしています。

領域長

西村 麻里江(にしむら まりえ)

所属研究グループ