生物機能利用研究部門

動物機能改変ユニット

役割

市場ニーズに即応する効率的な家畜育種改良を実現するため、家畜の特性に最適化したゲノム編集技術を開発します。また、家畜個体作出を効率化する新たな生殖技術開発のため、胚及び細胞等の分化制御機構を解明します。さらに、医学研究用動物として需要が見込まれるモデルブタを開発します。

主な研究テーマ

家畜種の特性に最適化したゲノム編集技術の開発

近年のゲノム編集技術の進展によりSNPの置換が可能となり、ゲノム機能解析の新たな展開が期待されいます。家畜においても劣勢遺伝子を修復・除去するなどして、育種素材として活用できる機能改変個体の作出の可能性があり、家畜の特性に最適化したゲノム編集技術の開発が求められています。本研究テーマでは、家畜のゲノム編集技術の有用性を実証し、家畜育種改良への応用の道を開きます。

家畜におけるゲノム編集技術開発

外来のDNA配列を挿入することなく、家畜ゲノムから不要因子を除去したり、有用因子を付加したりするゲノム編集を体細胞や受精卵に施し、これを元に家畜個体を再構築します。

胚及び細胞等の分化制御機構の解明

消費者の多様なニーズに対応した安全・高品質で付加価値の高い畜産物を迅速に開発・提供すること、また、家畜生産による環境負荷を低減する観点からも、次世代型の家畜育種・繁殖技術が必要となります。しかし、ウシでは後代を得るためには2年以上の期間を要するため、ゲノム編集等を迅速に進めることは困難です。本研究テーマでは、個体作出効率を改善する生殖技術に関わる基礎的研究を行い、応用研究活性化に貢献します。

新しい生殖技術に繋がる分化制御機構の解明

顕微授精技術の改善、ウシ伸長胚培養技術、ES細胞等を用いた多能性幹細胞技術等の新しい生殖技術に必要なキーテクノロジーの開発には、胚や細胞の発生や分化制御機構を理解することが必要です。

医療研究用モデルブタの開発

研究用ブタの需要が急速に増大しています。モデルブタへの要望も増加しており、研究用ブタ市場が成熟すればその利用の7割はモデルブタとなる見込みです。また、省スペース、省コスト化を目的とした研究用ブタのミニブタ化を要望する声が潜在的ユーザーである研究機関や製薬業のみならず生産販売企業からも寄せられています。本研究テーマでは、モデルブタを実用化し、医療研究分野での家畜利用を促進することを目指します。

医療研究?の遺伝?組換えブタを開発

家畜の新規利用分野を開拓するため、ヒト疾患の治療技術開発や創薬に役立つ、「再生医療用モデルブタ」、「?コレステロール?症モデルブタ」などを作出しています。


メンバー

メンバーの主要成果

(原著論文) (過去5年以内に発表したもの)

  • Nakai M, Ito J, Kashiwazaki N, Men N.T, Tanihara F, Noguchi J, Kaneko H, Onishi A, Kikuchi K (2016) Treatment with protein kinase C activator is effective for improvement of male pronucleus formation and further embryonic development of sperm-injected oocytes in pigs. Theriogenology 85:703-708.
  • Suzuki S, Iwamoto M, Hashimoto M, Suzuki M, Nakai M, Fuchimoto D, Sembon S, Eguchi-Ogawa T, Uenishi H, Onishi A (2016) Generation and characterization of RAG2 knockout pigs as animal model for severe combined immunodeficiency. Vet Immunol Immunopathol. 178:37-49.
  • Li Y, Fuchimoto D, Sudo M, Haruta H, Lin QF, Takayama T, Morita S, Nochi T, Suzuki S, Sembon S, Nakai M, Kojima M, Iwamoto M, Hashimoto M, Yoda S, Kunimoto S, Hiro T, Matsumoto T, Mitsumata M, Sugitani M, Saito S, Hirayama A, Onishi A (2016) Development of Human-Like Advanced Coronary Plaques in Low-Density Lipoprotein Receptor Knockout Pigs and Justification for Statin Treatment Before Formation of Atherosclerotic Plaques. J Am Heart Assoc. 18:e002779.
  • Hosoe M, Yoshida N, Hashiyada Y, Teramoto H, Takahashi T, Niimura S (2014) Sericin accelerates the production of hyaluronan and decreases the incidence of polyspermy fertilization in bovine oocytes during in vitro maturation Journal of Reproduction and Development 60:268-27.
  • Suzuki S, Suzuki M, Nakai M, Sembon S, Fuchimoto D, Onishi A (2014) Transcriptional and histological analyses of the thymic developmental process in the fetal pig. Experimental Animals 63:215-225.
  • Furusawa T, Ohkoshi K, Kimura K, Matsuyama S, Akagi S, Kaneda M, Ikeda M, Hosoe M, Kizaki K, Tokunaga T (2013) Characteristics of bovine inner cell mass-derived cell lines and their fate in chimeric conceptuses Biology of Reproduction 89:1-12.
  • Haraguchi S, Kikuchi K, Nakai M, Tokunaga T (2012) Establishment of self-renewing porcine embryonic stem cell-like cells by signal inhibition Journal of Reproduction and Development 58:707-716.