次世代作物開発研究センター

小麦・大麦育種ユニット

大麦は機能性が実証された食物繊維の β-グルカンが含まれます。 特にβ-グルカン含量が多い品種 「ワキシーファイバー」や「ビューファイバー」は 通常品種の2~3倍含まれます。

小麦・大麦育種ユニットでは、主に温暖地を対象とした栽培普及を目指して、実需者ニーズに応じた製パン性や製めん性の優れた品質の小麦品種、β-グルカンを高含有するもち性等の付加価値の高い品質の大麦品種、あわせて土壌伝染性ウイルス病抵抗性等の耐病性を備えた広域適応性品種を育成を行っています。
これまでに小麦では、パン用硬質品種の「ユメシホウ」、日本めん用品種の「ふくあかり」や「あおばの恋」、しょう油や中華麺に適した白粒硬質品種「タマイズミ」、もち性小麦品種の「うららもち」などを育成し、南東北から関東東海地域で栽培されています。また、大麦では、麦茶用でオオムギ縞萎縮病に抵抗性の「カシマゴール」、β-グルカン含有量が極めて高い「ワキシーファイバー」や「ビューファイバー」、加熱しても色が悪くならない「はるしらね」などを育成し普及に移されています。
第4期中期計画では、ゲノム情報なども利用し、DNAマーカーを利用した選抜により「タマイズミ」にコムギ縞萎縮病抵抗性を導入した新品種や、従来よりも柔らかく購入後も硬くなりにくいパンのできる老化耐性のあるでん粉を持つ小麦の育成を進めています。また、もち性やウイルス病(オオムギ縞萎縮病、オオムギ萎縮病)抵抗性の大麦品種、さらに、出穂時期の安定化など、温暖化による気候変動に対応するための育種素材の開発も進めています。


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