作物研究部門

作物見本園

ササゲ

大角豆

「ササゲ」「ササゲ」

英名: cowpea
科名: マメ科
学名: Vigna unguiculata (L.) Walp.
種類: 豆類(食用、飼料)

起源

地図
アフリカのエチオピアが起源の中心とされ、エジプト、アラビア経由でアジア および地中海地域に伝播した。わが国には9世紀にすでに存在した。

作物的特徴

1年生植物でvar. sinensis (cowpea)は矮性で茎長は30~40cmであるが、var. sesquipedalis はジュウロクササゲとよばれ蔓性である。葉は茎に互生し、3小葉からなる 複葉で、葉柄が長い。各小葉は先の尖る卵形である。花は、5花弁からなる蝶形 花で、白または淡紫青色。莢は、円筒形で、長さ12~20cm、幅0.5~1.5cm、若い うちは先端がやや上方に反り返り、物を捧げ持つ形なのでササゲという名が付け られたのだという。種子は、小豆類似の形の物から、大角豆の名のごとく、やや 大型で扁平で角ばる物まで種々ある。種子の色は、赤、白、褐、黒などのほか、 斑色紋様を持つ物があり、臍のまわりに黒い輪状の”眼”がある。熱帯原産のた め低温には弱く、わが国では秋田・岩手が栽培の北限である。肥沃度の比較的低 い畑でも栽培が可能で、酸性から中性までの土壌で生育できる。かなりの乾燥に 耐えるが、浸水にはダイズよりも弱い。

用 途

アフリカでは主要な食糧とされ、豆を挽き割りにして煮食する。我が国では、 煮豆、飯との混炊、餡、味噌原料とする。特に、赤飯、強飯に混ぜる豆としては 、小豆のように煮くずれしないので専ら本種が用いられる。若莢は野菜としても 利用される。アメリカでは、青豆がラッカセイのように煎られる場合もあるが、 主に飼料、緑肥として利用される。

生産地

熱帯および亜熱帯で広く栽培され、その約9割はアフリカで占められている。 我が国では、昔から、関東以南の暖地に栽培されており、昭和30年代に1.6万ha 栽培されていたが、現在は沖縄県等で35ha栽培されているにすぎない。