次世代作物開発研究センター

作物見本園

永年性作物は元気に育っています。


作物見本園のトップページでお知らせしたように、新型コロナウイルス対策で、業務を絞り込む必要があるため、資源作物見本園の2020年度の新規植付けは中止させていただきます。しかし、見本園には少数ながら、この写真の右側部分などに永年性作物があります。このページでは、こうした作物の折々の様子をご紹介します。


前の写真の中央からやや右側に写っているのが、この作物、アーティチョーク(和名チョウセンアザミ、キク科)です。


アーティチョークは冬の最中でも葉の緑色を残していました。これは大寒(1月20日)直前の1月16日の様子です。


これはアーティチョークのつぼみ。とても大きく、直径10cm以上あります。花が咲くのは例年6月で、花が咲く前の包片基部や花托が食用になります。


今年度、一番早く咲いたのがこちら。ホウズキ(ナス科)の白い花です。


ホウズキは植物体全体にアルカロイドを含み、特に地下茎と根を漢方薬に利用します。だいだい色に熟した実は、観賞用や遊び道具として利用されます。


次に咲きそうなのがジョチュウギク(除虫菊、別名シロバナムシヨケギク、キク科)。これはそのつぼみです。花の基部の子房などに殺虫成分ピレトリンを含んでいます。


ジョチュウギクの全体像です。白い小さな玉がつぼみです。来週には花盛りになりそうです。


地面から次々新芽を伸ばしているのは、ミョウガ(ショウガ科)。おなじみの香味野菜です。


カンゾウ(甘草、マメ科)は、主に根や地下茎を、甘味料や漢方薬として利用します。


ヤマノイモ(山の芋、ヤマノイモ科)は、さっそく近くの支柱に茎を巻き付けながら、上へ上へと伸びています。地下部の芋を「とろろ芋」として食用にするほか、薬用にもなります。地上部にできる「むかご」も食べられます。


ニホンハッカ(日本薄荷、シソ科)は、茎葉からとれるメントールを香料として利用します。


アシタバ(明日葉、セリ科)。昨秋にはキアゲハの幼虫にずいぶん食われましたが、新葉がたくさん出てきました。葉や茎を野菜として食べます。また、成分として、抗菌作用のあるカルコン類やクマリン類を含んでいます。


見本園の縁には農研機構が開発した4品種のチャ(茶、ツバキ科)が植えられています。これらを5月8日に撮影した写真でご紹介します。唱歌「茶つみ」で歌われている「八十八夜」は、今年は5月1日だったので、1週間過ぎていますが、それでもつやつやした若葉がきれいです。


「はるみどり」。濃厚なうま味とやわらかい香りが特徴です。日本で一番栽培されている品種「やぶきた」より製茶品質が良好です。


「りょうふう」。製茶品質が良好で、特に色沢が優れ、さっぱりとした香気が特徴の品種です。


「ふうしゅん」。収量が一番茶、二番茶とも「やぶきた」より3~5割多い品種です。


「めいりょく」。すっきりとした味、さわやかな香り等の評価を得ている品種です。以上4品種は、葉を見ただけでは同じように見えますが、いろいろな個性を持っているのですね。


最後にご紹介するのはエリアンサス(イネ科)です。これは3月12日の写真。地上部は、ご覧のようにすっかり枯れていました。エリアンサスは葉や茎などの生産量が多く、燃焼ペレットやバイオガスのためのエネルギー原料、含有成分であるリグニンやセルロースを使った新素材の原料などに利用できる新作物です。


株元だけ残して刈り取った3月18日のエリアンサスの品種「JEC1」です。


枯れていたように見えていた「JEC1」の株から、4月23日には新しい葉が伸び始めていました。


5月8日の「JEC1」です。


そしてきょう、5月13日には、「JEC1」の草丈は1m90cmに達していました。これから夏を迎え、どこまで大きくなるのか楽しみです。


エリアンサスの品種「JES1」(左)と品種「JEC1」(右)は、農研機構と国際農林水産業研究センターが共同開発しました。この2品種は「栽培系エリアンサス」と呼ばれ、穂が出て開花する時期が遅く、寒さのために発芽能力のある種子ができにくいので、雑草化の危険性が低いという特徴を持っています。