果樹茶業研究部門

育成品種紹介

清見(きよみ)

「宮川早生」に「トロビタ」オレンジを交配して育成された日本最初のタンゴールです。果実は扁球形で200g内外、果皮は黄橙色で剥皮性は中程度です。果肉は濃橙色で柔らかく多汁で、オレンジ香があり、風味は優良です。成熟期は3月中下旬と晩生品種です。

主要特性

  • 日本で育成された最初のタンゴール(ミカン類とオレンジの雑種の総称)です。
  • 果実は扁球形で 200g内外、果皮は黄橙色で剥皮は中程度で、ウンシュウミカンより剥きづらいです。
  • 果肉は濃橙色で柔らかく多汁です。糖度が11~12度、酸が1%前後で、わずかにオレンジ香があり、風味は優良です。
  • やくが退化しており、通常無核ですが、他品種の花粉がかかれば種子が入ります。
  • 熟期は3月中下旬で、 3月中旬~5月に出回ります。
  • 樹勢は中で枝が下垂する。種子は単胚性で育種親として利用価値が高く、多くの品種を生みました。

「清見」の果実
「清見」の果実

「清見」の結実状況
「清見」の結実状況

 

「清見」の花
「清見」の花

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

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この品種は、種苗法による品種登録制度が行われる前に育成した品種です。 農林認定品種として登録されております。

交配組み合わせ 旧系統名
宮川早生×トロビタオレンジ(みやがわわせ×トロビタオレンジ)・・・交雑年:1949年 カンキツ興津21号

栽培適地

樹体の耐寒性は比較的強いが、果皮が低温にあうと寒害をうける恐れがあるため、冬季温暖な地域が望ましいです。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:タンゴール農林1号

登録年月日:1979年6月29日

育成担当者

西浦昌男、七條寅之助、上野 勇、岩政正男、木原武士、山田彬雄、吉田俊雄、岩崎藤助

発表論文

果樹試験場報告B10, p.1-9(1983) : カンキツ新品種‘清見’について