果樹茶業研究部門

育成品種紹介

豊月(ほうげつ)

ナシ品種「豊月」は、晩生の赤ナシです。育成地(茨城県つくば市)での熟期は9月下旬で、「幸水」、「豊水」に近い優れた果実品質です。

主要特性

  • 関東地方で10月中下旬に成熟し、「新高」の後に収穫される晩生の赤ナシです。
  • 果実重は600g程度で「新高」程度、肉質はち密で「幸水」、「豊水」よりも軟らかいです。糖度は12%程度で、pHは4.55程度でやや低く酸味を感じます。
  • 果実品質に優れますが、心腐れやみつ症とも年次または地域によって発生します。収穫時期に入ってからの落果が認められるため、適期収穫に努める必要があります。

「豊月」の果実
「豊月」の果実

「豊月」の結実状況
「豊月」の結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
5225
(1992年3月30日)
3946
(1994年3月14日)
18
(満了日:2012年3月15日)
交配組み合わせ 旧系統名
晩三吉(おくさんきち)×75-23{二十世紀×リ-14(菊水×八雲)} ナシ筑波40号

栽培適地

ナシ栽培地帯のほぼ全域に適応し、大部分の地域で10月中旬ないし下旬に収穫されます。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:なし農林16号

登録年月日:1992年7月1日

育成担当者

佐藤義彦、町田 裕、壽 和夫、梶浦一郎、小園照雄、阿部和幸、栗原昭夫、齋藤寿広、大村三男、緒方達志、志村 勲、清家金嗣

発表論文

果樹試験場報告26号, p.1-14 (1994-03) : ニホンナシ新品種'豊月'

農耕と園芸50(11), 188-189 (1995) : 豊水の後に収穫期を迎える晩生の赤ナシ豊月