農村工学研究部門

技術研修

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門は、農村工学技術者の技術力向上と研究成果の普及を図るため、研究者が講師となり農業農村整備の推進に必要な技術の受け渡しをしています。この研修は、昭和31年に農林省農地局設計課によって始められたものであり、昭和36年12月に設置された農業土木試験場に組織と業務が継承されました。その後も、研究部門の再編と時代の要請の変化に対応しながら、技術研修は研究部門の重要な業務として継続して実施しています。年間約3百名の技術者が受講し、昭和31年から通算した研修生数は、約2万名です。

一方で、技術者資格を国家間で相互に認証するワシントン・アコード*やAPECエンジニア制度**など、技術者資格の国際標準化が進行し、諸外国との技術競争力の確保や我が国のデファクト・スタンダード***の確立が求められています。我が国の技術者の社会的地位の向上と生涯教育を支援するため、学生教育ではJABEE(日本技術者教育認定機構)が、社会人の技術者教育ではPDE(Professional Development of Engineers=技術者専門能力開発)協議会や建設系CPD(Continuing Professional Development=継続能力開発)協議会が、各学協会の協力を得て一貫した能力開発システムの構築を進めています。これらの活動の一翼を担う農村工学研究部門の技術研修は、全国におよそ2万5千名いる農村工学技術者教育のための最も中核的な研修として大きな社会的責任を負っています。そして、当研究部門から提供される技術者個人の技術研鑽履歴は、農業農村工学会技術者継続教育機構によって管理・証明されるシステムが確立しています。また、農村工学研究部門は、技術力から同機構の運営や評価に関わる業務の中心的な役割を担っています。

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