農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第31号(2012年10月号)

目 次

1)イベントのご案内
■農業・農村の地域再生に関する技術シンポジウム -仙台市-
■アグリビジネス創出フェア2012
2)最新の「農工研ニュース」より
■これを使えば地域資源情報の管理はラク楽 -VIMS-
3)農村工学研究所の動き
■農村振興局幹部との意見交換会 -行政と研究のマッチング-
■インターンシップ講習生(第三期)のつぶやき
4)研究ウォッチ
■魚類から見たラオス国における農村水域の生物多様性
5)ズームイン
■農工研の技術研修紹介 -生態系保全研修-
6)こんにちは農業農村
■日本の棚田百選 -久留米木(くるめき)-
7)農村の草花
■秋の野辺でいつの間にか衣服にくっついているあの実の正体は
-ヒナタイノコヅチ-

8)研究者の横顔
■吉村 亜希子(よしむら あきこ)
9)編集後記
■みやぎの農業・農村復旧・復興パネル展

 

1)イベントのご案内


■農業・農村の地域再生に関する技術シンポジウム -仙台市-

東日本大震災の被災地域では、農業・農村の再生に向けて、農地・農業水利施設などの農業生産基盤の復旧・復興が進んでいます。この過程における技術的課題と解決方法を見出し、地域再生のための情報共有を目的とし、標記のシンポジウムを開催します。

多くの方々のご来場をお待ちしております。

<日時>11月15日(木) 11時00分~16時30分
<場所>東北大学百周年記念会館 川内萩ホール(仙台市)
<関連URL>
http://www.naro.affrc.go.jp/event/files/poster_1.pdf

 
■アグリビジネス創出フェア2012

11月14日~11月16日に、東京ビッグサイトで、アグリビジネス創出フェア2012が開催されます。農・林・水産・食品分野などの最新技術や研究成果が分かりやすく展示され、関係機関(者)の出会いの場となっています。

農工研からは、強風の影響を軽減できるパイプハウスの配置や積雪荷重に耐えられる補強方法などを提示します。パイプハウスは、東日本大震災の被災地においても、復興初期の主要な選択肢として注目されています。関心のある方は是非会場までお越し下さい。

農地基盤工学研究領域 農業施設工学担当主任研究員 森山英樹

(関連URL:公式HP)
http://agribiz-fair.jp/

 

2)最新の「農工研ニュース」より

■これを使えば地域資源情報の管理はラク楽 -VIMS-

地理情報を利用することの有用性は、阪神・淡路大震災(平成7年)の発生直後に起こった情報混乱の反省等から、急速に理解が進みました。しかし、これを活用するためのデータの整備やソフトウェアは、当初は高価であり専門性が高く、普及が進みませんでした。

今では、カーナビや地図検索などを通じて、地理情報は身近な存在となりました。また、インターネットが普及し、地理情報は重要な行政サービスにもなっています。電話では伝えにくい状況を、写真や位置情報で、住民に分かり易く、素早く伝えることができます。

農工研が民間企業と共同開発したVIMSは、これらの機能を、使い勝手が良く、しかも安価に実現しました。良くある質問をQ&Aにまとめましたので、関心をもたれた方はお気軽にお問い合わせ下さい。

技術移転センター 教授 山本徳司

(関連資料)
(1)農工研ニュース第81号
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/02-01.pdf
(2)この研究成果をもっと深く理解するための5つのQ&A
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/02-02.pdf

 

 3)農村工学研究所の動き

■農村振興局幹部との意見交換会 -行政と研究のマッチング-

10月5日に、農林水産省(霞ヶ関)において、農村振興局と農工研の幹部による意見交換会が開催されました。本会議は、行政施策が求める技術と研究開発の方向が整合するように、双方の取り組みを確認し、忌憚のない意見を交換する場となっています。

企画管理部 業務推進室企画チーム長 芦田敏文

(会議の模様)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/03-01-01.pdf

 

■インターンシップ講習生(第三期)のつぶやき

三期(9月3日~9月14日)の講習生6名が、研究業務の一部を任され、実務を体験しました。彼らが社会人になっても、農村工学分野との関わりの中で、彼らを応援していきたいと思います。感想文から一部を紹介します。


技術移転センター 技術研修課 教務指導チーム長 大勝 学

(感想文)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/03-02-01.pdf

 

 4)研究ウォッチ

■魚類から見たラオス国における農村水域の生物多様性

10月3日~11日にかけて、東南アジアの国では唯一海に面していないラオス国に滞在しました。私に与えられた任務は、同国の農村水域における豊かな生物多様性を科学的に証明せよ、というものでした。そこで私は、自然河川と土水路を対象に、魚類の生息の実態調査を行ってきました。

ラオス国の農村部には、昭和初期における日本の田園風景を彷彿させるような豊かな自然環境が広がっていました。そこでは、同一場所で10種を超える魚類が確認され、豊かな自然の一端に触れることができました。サンプルを日本に持ち帰り、さらに分析中です。

今回のラオス国での調査は、豊かな生物多様性とは何なのか、なぜそれを保全/回復しなければならないのか、それは人の暮らしとどのように関連しているのか、を改めて私に問いかけてきました。

資源循環工学研究領域 生態工学担当主任研究員 小出水規行

(調査報告)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/04-01.pdf

 

 5)ズームイン

■農工研の技術研修紹介 -生態系保全研修-

この研修は、農村生態系保全の考え方、調査手法、計画手法を実践的に習得するため、毎年秋に(今年は9月5日~14日)に開催しています。

今年は国の職員5名と県の職員6名が受講しました。近年では、現場の技術者が自分たちで生物調査をし、生態系保全の計画を立てる場面が増えています。そのため、農工研では現場のニーズに応え、この研修を開講しています。座学から体験実習まで、質の高い教科を用意していますので是非ご利用下さい。

技術移転センター 技術研修課教務指導チーム長 大勝 学

(生態系調査実習の模様)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/05-01.pdf

 

 6)こんにちは農業農村

■日本の棚田百選 -久留米木(くるめき)-

棚田とは、先人が山や谷を切り開き、石垣を積み上げ、傾斜地に作られた田んぼです。上流側の棚田より取水し、それを導き、田越しでかんがいする方式が一般的です。これに要する労力や費用は膨大であり、棚田は先人たちの知恵と苦労の結晶といえます。

1999年7月に、農林水産省が日本全国の117市町村、134地区の棚田を「日本の棚田百選」に認定しました。この内、今回私は、静岡県浜松市の久留米木の棚田を訪れ、この歴史的な遺産が今どのように維持管理されているかを調べてきました。

技術移転センター 移転推進室長 寺村伸一

(調査結果)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/06-01.pdf
(関連URL:日本の棚田百選)
http://blowinthewind.net/tanada/100sen.htm

 

 7)農村の草花

■秋の野辺でいつの間にか衣服にくっついているあの実の正体は
-ヒナタイノコヅチ-

秋も深まった野辺を歩いていると、いつの間にかズボンの裾や上着の袖などに、植物の実がくっついていることがあります。いろいろな実が「ひっつきむし」として衣服にくっつきます。ヒナタイノコヅチの実は、針状の突起で衣服の繊維に引っかかるのです。

農村基盤研究領域 資源評価担当主任研究員 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/07-01.pdf

8)研究者の横顔

■吉村 亜希子(よしむら あきこ)

今回ご登場いただきますのは、農工研のスポーツウーマン、吉村亜希子主任研究員です。日本全国、水にまつわる農村の叡智を求め、西から東へと軽快に行脚しておられます。どんな業務でも「任せておきなさい」という感じの頼れるお方です。

(他己紹介:遠藤和子)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/08-01.pdf

 

 9)編集後記

■みやぎの農業・農村復旧・復興パネル展

宮城県の農業農村は、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けました。その復旧・復興状況を紹介するため、10月22日~26日に、農林水産省(霞ヶ関)においてパネル展が開催されました。

沢山の来場者がパネルを熱心に見つめる姿が目立ち、関心の高さが窺えました。23日には、除塩を行った農地で収穫された「復興米」が振る舞われ、来場者は被災地の復興を実感されたようでした。

農工研は、当県のみならず、各地の被災地の復旧・復興に少しでも貢献できるように、技術支援を続けて参ります。

編集子

(会場の様子)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/31/09-01.pdf


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