農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第88号(2017年7月号)

この度の九州北部豪雨により亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災に伴い避難所などで不自由な生活を余儀なくされている方々に対し心よりお見舞い申し上げます。
当研究部門においても、今回の被災地の復旧・復興に尽力しますとともに、今後の防災研究にも一層注力してまいります。

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)新技術の紹介
4)見学だより
5)農村工学通信より
6)農村工学研究部門の動き
7)ズームイン
8)こんにちは農業農村
9)農村の草花
10)研究者の横顔

1)トピックス

■平成29年福岡県・大分県等の大雨に関する農研機構災害対策支援本部第1回・第2回会合について

第1回災害対策支援本部会合を7月12日、当部門緊急防災対策室において開催しました。「平成29年福岡県・大分県等の大雨」の農業水利施設の被災状況についての情報共有するとともに、農研機構研究者の現地派遣等の今後の対応について方針を確認しました。

第2回災害対策支援本部会合を7月18日(火曜日)、当部門緊急防災対策室において開催しました。7月12日~14日に現地派遣した研究者から調査結果が報告され、ため池の被災状況について情報共有するとともに、引き続き復旧に向けた支援を行うことを確認しました。

企画管理部災害対策調整室長 梶原義範

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/topics/laboratory/nire/076280.html
http://www.naro.affrc.go.jp/topics/laboratory/nire/076396.html

■(プレスリリース)ひずみを測定して強化プラスチック複合管の安全性を診断

農業用水のパイプラインに多く使われている「強化プラスチック複合管(FRPM管)」のひずみを測定して、安全性を診断する手法を開発しました。

破壊に対する安全性を定量的に診断できます。また、これまで見逃していた局所的に変形した箇所を、ひび割れが発生して漏水する前に発見できます。

技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076253.html

■ため池氾濫解析ソフトSIPONDをリリース開始

ため池ハザードマップ作成にあたっては、万一の決壊時における浸水想定区域を求める必要があります。

農研機構とニタコンサルタント(株)は、内閣府のSIP防災(戦略的 イノベーション創造プログラム レジリエントな防災・減災機能の強化)において、ため池決壊時の浸水想定区域を求める氾濫解析手法を開発し、これを組み込んだ「SIPOND(エスアイポンド)」を7月14日にリリースしました。氾濫解析の手法は、「ため池ハザードマップ作成の手引き」(農林水産省防災課)に準拠するものです。

ソフトの仕様、価格などの詳細や問合せ先については、ニタコンサルタント(株)のホームページをご参照下さい。

施設工学研究領域 地域防災ユニット長  吉迫 宏
主任研究員  正田大輔

(関連リンク)

https://flood-soft.jp/

(お問い合わせフォーム)
https://flood-soft.jp/index.php/contact

■農林水産技術会議事務局の別所局長ほかが農村工学研究部門を視察

7月18日(火)、農林水産省農林水産技術会議事務局の別所智博局長、大角亨研究総務官および川合豊彦研究調整課長が、当部門を訪問し、ため池防災支援システムに係る技術開発などを視察されました。

企画管理部企画連携室長 塩野隆弘

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/disaster20170705/index.html

■「第1回インフラメンテナンス大賞」表彰式

メルマガ第86号(2017年5月号)でもお知らせしました、第1回インフラメンテナンス大賞表彰式が、7月24日(月)、霞が関中央合同庁舎2号館において開催されました。当部門からは、優秀賞を受賞した國枝正技術移転部教授が式に臨みました。受賞案件は「ポンプ設備の劣化進行を状態監視する新たな診断システム」です。

技術移転部 広報プランナー 遠藤和子

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/01-05.pdf

2)イベント情報

■JSTフェア2017に漏水探査ロボットを出展します!

2017年8月31日(木)・9月1日(金)に、東京ビッグサイト東4ホールで開催されるJSTフェア2017に、農村工学研究部門から管水路の漏水探査ロボットを出展します。
漏水探査ロボットは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「アセットマネジメント技術の研究開発」の中で進めているものです。人が中に入って点検することができない小口径の管内に漏水探査ロボットを流下させ、漏水音をたよりに漏水位置を検出します。

会場では、漏水探査ロボットの実物を展示するとともに、農研機構内の漏水実験フィールドで評価した検出性能を紹介します。ご来場をお待ちしています。

なお、JSTフェアの詳細については、以下のホームページをご確認下さい。

http://www.jst.go.jp/tt/jstfair2017/index.html

施設工学研究領域 施設保全ユニット 中嶋 勇

■「農村を元気にする総合的な実証研究」シンポジウム開催(第2報)

「農村を元気にする総合的な実証研究」シンポジウム"農村を元気にする研究開発とは?"が下記のとおり開催されますのでご案内します。

日時:平成29年8月9日(水曜日) 12時45分~16時45分
場所:日比谷コンベンションホール(千代田区立日比谷図書文化館地下1階)
東京都千代田区日比谷公園1番4号

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/event/list/2017/06/076038.html

■アグリビジネス創出フェア2017出展内容決定(第2報)

来る10月4日(水)~6日(金)にかけて東京ビックサイト東7ホールにて開催される「アグリビジネス創出フェア2017」に農研機構が出展いたします。
農村工学部門は、生/0521ブースにて出展する予定です。
また、今年は、セミナーセッションA313にも参加します。
出展内容等については、公式HP等でも今後公開されてまいります。ご期待ください。

日時:平成29年10月4日(水)~6日(金) 10:00~17:00
場所:東京ビックサイト 東7ホール
http://agribiz-fair.jp/

【農村工学部門の展示及びプレゼン内容】
農村工学部門は、生/0521ブースにて主に以下の内容で展示を行う予定です。

  • 「カットドレーンmini」
  • 「水利施設管理台帳システム」
  • 研究開発プレゼンテーション(セミナーセッションA313)
  • 「圃場-広域連携型水管理のための灌漑排水自動管理システムの開発」
技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

■農地整備における情報化施工に関する研究会を開催(報告)

7月21日(金)、農研機構 御徒町会議室において「農地整備における情報化施工に関する研究会」を国立研究開発法人 土木研究所寒地土木研究所と共同開催し、68名の農業農村整備関係者等にご参加頂きました。研究会では、コンサルタント、ICT建機メーカー、行政、研究機関の担当者5人が現状や導入事例等を紹介したほか、会場参加者からの事例紹介や活発な意見交換により、参加者間での情報共有が図られました。

企画管理部 企画連携室行政連携調整役 渡嘉敷勝

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/02-04.pdf

3)新技術の紹介

■「実用新技術成果選集2017」を農工研ホームページに掲載

当研究部門における研究成果について、分かりやすく各テーマ1枚紙(ポスター形式)にして、ウェブサイトで情報提供しております。このたび、最新版を追加しましたので、ご覧下さい。もっと詳しい内容を知りたい場合など、お問い合わせをお待ちしております。

技術移転部 移転推進室長 野道彰一

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/

■一目でわかる研究成果70より スマートフォンを活用した雨量の観測・閲覧システム

住民が居住地域の雨量を自主観測し、豪雨時に早期に自主避難の要否が判断できるように、スマートフォンを活用した安価な雨量の観測・閲覧システムを開発しました。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/glance/files/cat07_4.pdf

「一目でわかる研究成果70」はこちらから
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/glance/

4)見学だより

■「農村工学をまだ知らない生徒たち」の案内

「農村工学」という言葉をまだ聞いたこともない中高校生の見学来訪時の対応を、筆者の少年時代の「農業土木」の記憶を交えながら記してみました。

技術移転部 移転推進室交流チーム 小倉 力

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/04-01.pdf

5)農村工学通信より

■バイオ炭の理化学的性質を考慮した畑地基盤の改良

農村地域から発生するバイオマスから製造される各種のバイオ炭は多様な理化学的特徴を有します。バイオ炭の理化学的特徴を考慮することで、炭素貯留を行いながら畑地基盤を効果的に改良でき、特殊土壌地帯等における畑地の土地利用集積の推進に貢献することができます。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2015/15_088.html
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/77/03-01.pdf

6)農村工学研究部門の動き

■平成29年度情報セキュリティ対策に係る「研修」と「自己点検活動」の実施について

行政との連携を積極的に図っている農村工学研究部門では、情報の漏洩などの事態が起こらぬよう、情報セキュリティの確保が重要な課題となります。そこで、本部門では、研修効果をより高めるため、集合形式で研修と自己点検活動を行うこととしました。

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/06-01.pdf

7)ズームイン

■獣害研究最前線-フィールドワークの様子(1)

最近、ジビエやクマ被害に関連して耳にすることが多くなった獣害対策。皆さんは、どのようにして野生動物を捕獲しているのか、ご存じですか。今回のズームインでは、普通の人には見る機会の少ない捕獲現場の様子などを紹介したいと思います。

地域資源工学研究領域 資源評価ユニット上級研究員 成岡道男

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/07-01.pdf

8)こんにちは農業農村

■日本における世界かんがい施設遺産(8) ~通潤用水(つうじゅんようすい)~

第8回は、熊本県山都町にある通潤用水(つうじゅんようすい)をご紹介します。日本最大級の石造アーチ水路橋により台地を潤します。

四方を低地の河川に囲まれている地形条件にあり、水不足に悩まされていた白糸台地を灌漑するため、1855年に通潤用水が建設されました。これにより水田面積が約3倍に増加しました。

(全国水土里ネット-新・田舎人フォーラム-のHPより引用)

施設所在:熊本県山都町
供用開始:1855年頃
登録年 :平成26年
英語名 :Tsujunyousui Irrigation System

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/08-01.pdf

■自然豊かな農村工学研究部門(2)

梅雨の期間中なのに毎日暑い日が続いています。7月13日(木)午前10時の気温31度、湿度65%です。前回の撮影からほぼ1ケ月が過ぎたので、部門内の撮影に出かけてみました。

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/08-02.pdf

9)農村の草花

■ぴりりと辛くはないけど、見向きもされずに消えていくのはイヤです ~サンショウモ~

いよいよ夏本番。夏バテ防止には食欲を刺激するスパイシーな山椒が欠かせません。あれっ、田んぼの中にも山椒の葉っぱが浮いているよ。いえいえ、あれは水生シダのサンショウモです。
このサンショウモ、かつては水田のありふれた雑草だったのに、近頃では絶滅が心配されるほど少なくなっていることを知っていますか。

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/09-01.pdf

10)研究者の横顔

■吉迫 宏(よしさこ ひろし)

吉迫ユニット長は、水文の研究者です。よって雨が好きで水を計るのが好きです。そこらへんの機微は他分野の私にはよく分かりません。よく相談に行きます。いつも的確に答えてもらいます。でも、あまり聞くと愚痴が半分ぐらいになり、高速でしゃべりはじめます。優しくてなんでも答えてくれるユニット長ですが、高速呪文を唱えはじめたら、追い詰めてしまったと思って逆に優しくしましょう。
(他己紹介:中嶋 勇)

(自己紹介)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/88/10-01.pdf

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集発行】
〒305-8609 茨城県つくば市観音台2-1-6
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門
技術移転部 移転推進室 交流チーム