東北農業研究センター

畑作物育種グループ

小麦粉をブレンド。 小麦粉生地が強靱な「銀河のちから」とやや弱い「ゆきちから」をブレンドするとパンが大きく膨らみます。ブレンドしてつくったパンは岩手県の学校給食に採用されています。

冬作物の小麦、大麦、ナタネと夏作物のそばについて、東北地域の気候に適した品種の育成と遺伝子マーカーなど品種育成を効率的に行うための研究を行っています。

東北地域は冬期間、雪で覆われる地域が多く、冬作物は耐雪性を有することが必要です。東北農研で育成された冬作物品種は70日間雪に覆われても被害を受けず、小麦品種「ゆきちから」など110日の積雪に耐える品種もあります。

小麦 めん、パン、菓子などそれぞれの用途毎に高品質な小麦品種の育成が求められています。これに応えるため、蛋白質や灰分含量を改良すると共に、でんぷんや蛋白質の組成を改良するための遺伝子マーカーを開発し、品種改良に役立てています。これまでにアミロースの割合を少なくして、麺につるつる感やもちもち感が持たせた麺用中力小麦「ネバリゴシ」、蛋白質含量を少なくした菓子用薄力小麦「ゆきはるか」、蛋白質含量を多くしたパン・中華麺用準強力小麦「ゆきちから」、蛋白質組成を改良し、小麦粉生地を強靱にしたパン・中華麺用超強力小麦「銀河のちから」を育成しました。「銀河のちから」はブレンド適性があり、他の小麦とブレンドするとパンがより大きく膨らみます (写真)。また、アミロースを全く含まず、食感に特徴の有る製品ができるもち小麦「もち姫」や澱粉組成を改良して、食品の老化を防ぐ小麦 (品種登録準備中) を育成しました。

大麦 麦ご飯の色が白い六条大麦「シンジュボシ」やビール醸造適性のある二条大麦「小春二条」を育成し、さらに、もち大麦や、炊飯後に麦ご飯が褐変しにくい大麦を育成中です。

ナタネ 日本で唯一のナタネ育成地であるため、全国各地に適した品種の育成に取り組んでいます。これまでに、栄養学的に問題のあるエルシン酸を含まず食用油に適する寒地向きの「キタノキラメキ」や暖地向きの「ななはるか」を育成し、食用油にも適し、グルコシノレートを含まず油粕を飼料としても利用できる寒冷地向きの「きらきら銀河」を育成しました。

ソバ 転作作物として作付される場合が多いために湿害による生育不良などの問題が生じています。そこで、収量低下の原因となる栽培上の問題の解決に取り組んでいます。これまでに、耐倒伏性に優れる品種「にじゆたか」や春播き栽培に適した品種「夏吉」を育成しました。

メンバー