東北農業研究センター

生産環境研究領域

イネいもち病の発生。 左側の水田にいもち病が発生している。右側の水田は抵抗性品種を作付けしているため、いもち病の発生が見られない。

生産環境研究領域は、東北地域における病害虫、土壌・施肥管理、農業気象の技術に係る試験及び研究並びに調査を行います。その目的で、領域内に病害虫グループ土壌肥料グループおよび農業気象グループを配置しています。これらのグループ間あるいは他の領域の専門家とも連携して、生産者が活用する新たな農業技術を開発するとともに、消費者に安全・安心な農作物を提供するための研究を行っています。

病害虫グループは、稲や野菜などの病害や虫害を効果的に防除するための研究課題を担当しています。これまでに、水稲ではいもち病が感染しやすい気象状況を1kmメッシュ単位で推定できるいもち病発生予察システムや、斑点米カメムシの広域発生予察技術などを開発しました。また、野菜類の土壌病害については転炉スラグによる土壌pH矯正で土壌伝染性のフザリウム病やウリ科野菜ホモプシス根腐病に対して被害軽減させる技術を開発しました。

土壌肥料グループでは、農産物のヒ素・カドミウムのリスク低減技術、春まきタマネギの適切な施肥管理技術、人工湿地を用いた有機性排水の浄化技術、有機資源の利用促進技術などの研究課題を担当しています。これまでに、ダイズのカドミウム低吸収性品種・系統と苦土石灰のうね内部分施用技術を組み合わせた効率的なカドミウム吸収抑制技術、土壌抽出カドミウム濃度を用いたダイズや野菜のカドミウム濃度推定法、野菜カドミウム濃度の品目間差異の判定法などを開発しました。また、有機性排水の浄化技術として、酪農排水等を浄化する伏流式人工湿地ろ過システムと処理水質の変動を予測するモデルを開発しました。

農業気象グループでは、高・低温障害や病害の発生予測、地球温暖化による作物栽培への影響評価などの研究課題を担当しています。これまでに、広域気象予測データの利用技術として病害発生予測モデルへの適用を検討しています。また、気象データと水稲の作物統計値及び水稲の発育予測モデルから、出穂期の早晩等を予測できる数値モデを作成しました。さらに、ダイズの開花期予測モデル作成や東北地域の気象データに基づく栽培リスク、水田における温室効果ガス排出削減技術、水稲による放射性セシウム吸収・集積システムの解明なども行っています。

領域長

新良 力也 (にら りきや)

所属グループ