中央農業研究センター

土壌生物グループ

当研究グループでは、生物機能の評価・活用による省資源・省力作物生産技術の開発のうち、土壌タイプや有機物施用履歴と微生物群集構造との関係性、営農管理が土壌微生物性に及ぼす影響解明などの基礎的研究活動を進めてきました。
現在は外部競争的資金を活用しつつ、土壌生物機能に関わる最先端の研究を担う大学、現場実証研究を担う公設試、そして土壌分析や肥料製造を担う企業等との連携を通じて、緑肥後作物での減肥栽培技術、アスパラガス安定生産技術、太陽熱土壌消毒効果の見える化に重点的に取り組んでいます。これらを通じて持続的な土壌管理方法の高度化をはかり、もって我が国の食料増産に寄与することを目的とした、実証的研究活動を進めています。
なお、当グループでは環境DNA解析のための機器が整備されており、複数の技術講習などの受け入れ実績があります。土壌生物機能の評価・利用に関して、公設試、普及組織、大学、民間企業等との情報交換や連携を希望します。

0603_1.png 緑肥のすき込み:
緑肥とは、栽培している植物を、収穫せずそのまま田畑にすき込み、後から栽培する作物の肥料とすること、またはそのための植物のことです。新鮮な有機物である緑肥をすき込むと、それをエサに、土壌中のリン溶解菌などの有用微生物が増えます。また、緑肥として、菌根菌と共生する作物を栽培すると、作物のリン吸収を促進することで知られる共生菌の菌根菌を増やすことも可能です。緑肥栽培を通じて、有用微生物を増やし、施肥の削減を目指す研究を行っています。

0603_2.png リン溶解菌:
土壌中の微生物の中には、土壌に固定され、作物が吸収できない形態のリン酸を、有機酸を放出して溶かすことのできるリン溶解菌がいます。周りが透明(黒っぽく見えます)なものは、リン酸を溶かす能力のあるものです。緑肥でリン溶解菌を増やすことで、作物のリン酸吸収を増やすことができるか、検討しています。

メンバー

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