中央農業研究センター

畑作物育種グループ

当研究グループでは、北陸などの寒冷地向けの大麦と大豆の品種や育種技術開発、新品種を利用した新規需要開拓などを進めています。

【大麦育種】

北陸地域は、押し麦などの原料である六条オオムギの全国一の産地です。近年、オオムギに多く含まれる水溶性食物繊維β-グルカンがの機能性が注目され、オオムギの需要が伸びつつあります。このような需要に応えるため「ゆきみ六条」、「北陸皮糯58号」を育成しました。「ゆきみ六条」は穀粒が軟質で製粉しやすく、クッキーなど大麦粉食品が開発されており、今後も利用の拡大が期待されます。また、焼酎醸造適性があり、「ゆきみ六条」を使った麦焼酎が地産加工されています。新潟市では「ゆきみ六条」を利用して、生産者・障がい者福祉施設・食品メーカー・大学・行政が参加した「農業・福祉・食品ビジネス連携」が始まっています。「北陸皮糯58号」は、ウルチ性品種よりさらにβーグルカン含量が多いモチ性品種で、品種登録出願を予定しています。 これからも、多雪地である北陸地域でより安定的に生産できる高品質品種の育成を目指し、DNA情報を利用した選抜技術の開発と、品種改良を進めていきます。

【大豆育種】

大豆の品種育成に関する課題のうち、広域適応大豆品種の育成および極多収大豆系統の開発を担当しています。といっても今年出来たばかりなので育成品種は無く、全国の大豆育成地から育成中の系統を集め、北陸地域に適した系統を選抜しています。北陸では国産大豆の約1割を生産しており、豆腐加工に適した「エンレイ」が長年栽培されてきましたが、大粒で倒れにくく莢が割れにくい「里のほほえみ」に置き換わりつつあります。広域適応大豆品種の育成のため、耐病虫性や加工適性を備え、排水性の悪い重粘土壌に適した系統を選抜し、この「里のほほえみ」を超えるような品種の育成を目指しています。また、極多収大豆系統の開発については革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロジェクト) に参画し、海外の多収品種由来系統等と栽培方法を合わせて500kg/10aを目指しています。低収、低品質が続く北陸での大豆生産振興のため、生産者、JA、メーカーとの連携を模索しています。
ゆきみ六条を用いたクッキー北陸皮糯58号を判別するDNAマーカー

メンバー

法人番号 7050005005207